「母国で出産」と偽り一時金詐取 ボリビア人男女逮捕

神奈川県警本部

 ボリビアで子どもを出産したと偽り、国民健康保険の出産育児一時金を不正受給したとして、神奈川、千葉県警の合同捜査本部は22日、詐欺と詐欺未遂の疑いで、同国籍の会社役員の男(51)=横浜市戸塚区柏尾町=を再逮捕し、同国籍の派遣社員の女(36)=群馬県太田市=を逮捕した。

 逮捕容疑は、共謀して2017年5月12日、千葉市内の区役所で、ボリビアで三つ子を出産したとする偽の出生証明書や医療機関の領収書などを提出し、出産育児一時金121万2千円をだまし取ったほか、同年6月16日には太田市役所で、同様の手口で一時金をだまし取ろうとした、としている。両容疑者とも容疑を認めているという。

 合同捜査本部は、男の容疑者が複数の同国籍の女性と共謀した上で、関東、中部、近畿地方などで同様の不正受給を40回ほど繰り返し、約2千万円を詐取したとみて裏付けを進める。

 県警国際捜査課によると、千葉市から転居してきた直後に女の容疑者が太田市へ一時金の支給を申請。記載された出産日が約1年前だったことを不審に思った太田市が千葉市に確認して、二重申請の疑いが発覚した。

 申請書の記載内容などから男の容疑者らが浮上。合同捜査本部は男の容疑者宅を家宅捜索し、偽造した文書の原本やボリビアの公的機関の印鑑などを押収した。大阪府内で17年5月に同様の手口で一時金をだまし取った疑いが強まり、同容疑者らボリビア国籍の男女3人を今年8月1日までに詐欺容疑で逮捕していた。

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