平塚・個人情報持ち出し 渡部市議に辞職勧告へ

平塚市役所

 渡部亮・平塚市議(40)が市職員時代に市民の個人情報などのデータを持ち出した問題で、同市議会の主要3会派は22日、市議会9月定例会に渡部氏の辞職勧告決議案を共同で提出することを明らかにした。法的拘束力はないが、可決される見通し。

 同日開催された市議会議会運営委員会で、最大会派「清風クラブ」(8人)と「公明ひらつか」(5人)、「湘南フォーラム」(3人)が表明した。賛成は3会派で半数を超える上、共産党市議団(2人)も同調するとみられる。

 議運委で、清風クラブの諸伏清児氏は定例会初日の29日に提出する方針を報告。「法令を順守すべき議員にあってはならないこと。議会としての姿勢を示さなければ」と他会派や無所属議員に賛同を求めた。

 傍聴した無所属議員も発言。「(渡部氏に)謝罪の機会を与えず一方的に決議案を決めていいのか」など反対や慎重論が相次いだ。

 佐藤貴子議運委員長は「多くの議員からの理解を得る努力を続けたい」と述べた。

 市によると、4月の市議選で初当選した渡部氏は昨年、市職員を退職する前後に個人情報など3万件のデータを持ち出そうとした。このうち約250件のデータの持ち出しについては渡部氏も認め、一部は選挙はがきの送付に利用された疑いがある。市は市個人情報保護条例違反の疑いで刑事告発を検討している。

 辞職を否定している渡部氏は議運委を傍聴したが、決議案について「今は話せない」と説明するにとどまった。

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