■最優秀作品賞に吉川さん(富山中部)
高校短歌日本一を決める「第4回高校生万葉短歌バトルin高岡」が23日、高岡市のウイング・ウイング高岡で行われた。決勝は星野高等学校A(星野・埼玉)が初優勝を飾り、たかゆくや(富山中部)が準優勝となった
書類選考による予選を通過した全国の8チームが、トーナメントの本戦に出場。県勢は富山中部、高岡工芸の2校が残った。試合は先鋒(せんぽう)、中堅、大将の3人一組で、それぞれ1対1で対戦。与えられた題で作った歌を朗唱した後、チームメートや対戦相手の作品について意見を述べるディベートも行った。
歌人の佐佐木幸綱さん、小島ゆかりさん、高岡市万葉歴史館の坂本信幸館長が審判役「判者(はんじゃ)」を務め、作品の出来栄えや、ディベートでの批評力などを踏まえて勝敗を決めた。
最優秀作品に贈られる「『短歌』編集部賞」は、富山中部の吉川万優子さん(2年)が受賞した。
開会セレモニーで、実行委員会顧問の高橋正樹市長と駒澤北日本新聞社長があいさつ。表彰式では、勢藤北日本新聞社常務西部本社代表、米谷和也市教育長、上田洋一県歌人連盟会長らが各チームに賞状やメダルなどを手渡した。
大会は「万葉のふるさと高岡」の魅力を発信しようと、2016年に始まった。高岡市と市教育委員会、市万葉歴史館、県歌人連盟、北日本新聞社でつくる実行委員会主催。
■決勝【第=梅】 優勝:星野高等学校A(埼玉) 準優勝:たかゆくや=富山中部
◆先鋒◆ 木漏れ日を背中に受けて弟が拾う梅の実青々とする (富山中部2年・菅田季沙)
梅の実の腐れるやうにくづれたる 唇漏るる言の葉甘し (星野2年・野城知里)
◆中堅◆ いっぱいに光あつめて膨らんだ きいろい梅のうぶ毛やわらか (富山中部2年・木倉里紗子)
塩梅(あんばい)の悪(わろ)しと嘘(うそ)をついてみる 了解と言ふ君の口癖 (星野2年・高木里緒)
◆大将◆ 冷トマト煮〆揚げナス梅茶漬けまでがじいちゃんばあちゃんの味 (富山中部2年・吉川万優子)
長梅雨にビニル傘を捨ててレインシューズのクラウチングスタート (星野2年・小久保羽琉)
■最優秀作品賞 キリと眼(め)が光り碁石を睨(にら)みつけ じゃらりぱちんと決まる次の手 (富山中部2年・吉川万優子)