「出島」大規模改修へ 本年度から 老朽化で長崎市方針

出島の復元について話し合った出島史跡整備審議会=長崎市、長崎タクシー会館

 長崎市出島町の国指定史跡「出島和蘭(おらんだ)商館跡」を含む出島復元の整備方針を審議する市出島史跡整備審議会(植松俊徳会長)が23日、同市内で開かれ、市は本年度から順次、老朽化した建物の大規模改修を進めることを明らかにした。
 市によると、出島の建物は第1期復元から19年が経過し、雨による腐食などが進んでいる。本年度は2月ごろから、特に緊急性が高い「カピタン部屋」など3棟の物見台や床板、しっくいなどを改修する方針。来年度以降は、老朽化の進行具合や見学ルートへの影響などを考慮し、改修する建物を決める。
 市は2020年4月に導入する予定の指定管理者制度について説明。今月末までに指定管理者の公募を開始し、11月に指定するとした。運営業務は指定管理者に委託し、復元・学術業務は従来通り市が取り組む。指定期間は積極的な設備投資や人材の育成を促すため、5~15年の長期間とする。
 市はこのほか、出島表門橋の架橋に伴う発掘調査で出土した旧出島橋の復元と活用などを検討している「保存活用小委員会」の進捗(しんちょく)状況を報告した。
 審議会は出島の復元整備推進を目的に市が1978年に設置。学識者ら24人で構成している。

© 株式会社長崎新聞社