ジャズギタリスト:米山絋史 X 「J フォワード」代表:ドラゴン

テーマ:発信

今年6月に初のアルバム「ダイアログ」をリリースしたジャズギタリストの米山紘史(こうじ)さんと、イベントや留学プログラムを行う「Jフォワード」代表のドラゴンさんが、発信をテーマに語り合った。


——2人はどういった関係ですか?

米山 2012年に共通の知り合いを通じて知り合いました。

ドラゴン 紘史とは共にユーチューブで「先輩人生ラジオ」というラジオをやっていて、その収録のため週一で会っています。

米山 ドラゴンは「海外挑戦者の溜まり場」というコミュニティーサイトを運営していて、彼とは人生に対する考え方に共通点があったので、一緒に何かやろうかとなり、僕が彼を誘ってラジオを始めました。

——ラジオはどんな内容?

米山 聞き流しラジオみたいな感じですね。日常の中にある細切れの時間を、いかに有意義に使って楽しく学ぶかをコンセプトにしていて、リスナーと一緒に、普段日常ではなかなか考えられないような深いテーマを考えるきっかけを作れたらなと。

ドラゴン 言ってることがかなり抽象的なので、戦略的に大失敗ですね、これは(笑)。

——2人がそれぞれの活動を始めた理由は?

米山 僕は、人生に行き詰まった時期があるんです。本当にやりたいことを考えた時に、音楽の中だけでは答えが見つからなくて。有名なステージに立ちたいとか、誰々と共演したいとか、具体的な目標を考えみてもワクワクしなくて。

根源的なモチベーションは何なのかと向き合い続けた末に、「ただ昨日よりも成長したい」と気付いた瞬間に視野が広がって、音楽の外側でも表現しようと決意しました。

できなかったビジネスをやってみようとIT系の会社を登記し、自分のメディアを持って、現代の生き方や働き方について考察、発信しています。

ドラゴン 僕はニューヨークに来て、おもしろい生き方や選択肢がいっぱいあると思ったので、それを日本にいる人たちに共有したくて作ったのが「溜まり場」です。日本人、海外に出ようぜというメッセージのみ発信しています。海外に出ないと日本のことすら分からないし、何より日本人は海外に出れば出るほど得する国民です、自信が持てます。

そういう思いで、飲食店や不動産、留学プログラムもやっています。

——仕事をしながら発信していくのは大変では?

ドラゴン 僕の中では全部つながっています。日本人を海外に出す手段として、イベントだったりメディアだったり、留学だったりと選択肢があって、その時の自分にできる一番いい手段を選んでいるだけです。

なので、僕からするとやってることは全部同じ。これから全く違う手段を取る可能性もありますし、そのつもりです。

米山 僕も自分がやりたいことを表現しているだけで、それが音楽だろうが言葉だろうが変わりはなく、表現手段の一つです。

ドラゴン 紘史の音楽は聴いていて、とても「音楽的」だと思います。それは完全アウェーの海外で、ギター1本で戦ってるという生き方からも伝わりますね。

米山 僕が一番やっていきたいことは、みんなに「そんなところで悩まなくても、人生もっとおもろくできるで」と伝えていくことで、それを表現しているのが、音楽でありラジオ番組やメディアです。

——これから2人が目指すところは?

米山 日本人とかニューヨークとかではなく、「人類」をターゲットにしたことをやりたい。でもでか過ぎて、生きているうちにできるのか、ちょっとヤバい(笑)。でも間違いなく音楽は僕が持っている大きな手段の一つで、今回のアルバムリリースも、大きなステップだと感じます。

ドラゴン 海外挑戦したい日本人がニューヨークに来る時の入り口になろうと思います。その入り口を、この1年で一気に拡大します。

「人生もっとおもろくできる」と伝えていく —米山

日本人の海外挑戦の舞台を創る —ドラゴン

写真左:ドラゴン岡山県出身。同志社大学を卒業後、コンサルティング会社を経て、2011年1月1日にニューヨークへ。13年に「海外挑戦者の溜まり場」、14年に「J-KURU NY」、16年から「ジャパンフェス」、同じく16年から不動産、イベント、飲食、留学プログラムを手掛ける「Jforward」を設立。j-fo.com

写真右:米山紘史(こうじ)大阪府出身。2012年からニューヨークを拠点に活動。グラミー賞受賞のジョナサン・ホアードとの共演をはじめ、日本ツアーや、ハーレムの教会でアジア人唯一のレギュラーギタリストして演奏。19年6月、初のアルバム 「DIALOG」のデジタル配信をスタート。kojiyoneyama.comv

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