辺野古「反対」7割の県民投票から半年 工事を止めない政府 沖縄県は世論喚起へ

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名護市辺野古沿岸部。護岸で囲まれた区域への土砂投入が続いている(2019年5月13日)

 米軍新基地建設に必要な沖縄県名護市辺野古の埋め立ての賛否を問い、投票総数の7割超が「反対」を示した今年2月の県民投票から24日で半年となった。玉城デニー知事は投票条例に基づき日米両政府に結果を通知したが、日本政府は工事を強行し続けている。玉城知事は全国で基地問題への理解を広げるキャラバンを展開し、世論の高まりを背に訪米し改めて米側に県民投票で示された民意を伝える考えだ。

 「辺野古」県民投票の会元代表の元山仁士郎さん(27)は「沖縄の明確な民意を示し、それをきっかけに全国でさまざまな取り組みが生まれている。やって良かったと思う」と振り返る。一方、工事が止まっていないことは悔しく思う。政府は民意を尊重して埋め立てを止めるべきだとして、「県と政府で新基地建設を巡る裁判が続くと思うが、示された民意を裁判でもしっかり判断してほしい」と求めた。

 玉城知事は「辺野古埋め立ての一点に絞り、圧倒的に民意を示すことができた」と改めて評価し、その後も国政選挙などで「辺野古」反対を訴えた候補が当選したことを挙げ、「民意は揺るぎない」とした。

■新たに2訴訟も提起

 名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う今年2月の県民投票で投票総数の7割超が「反対」の意思を示して24日で半年となった。政府は初めて辺野古の賛否に絞った投票で示された民意を無視する形で新基地建設を続けている。玉城デニー知事は日米両政府への結果の伝達や世論喚起、訴訟など「あらゆる手段」で辺野古反対の民意の実現を模索する。

 玉城知事は3月に安倍晋三首相、ジョセフ・ヤング駐日米首席公使と面談し投票結果を通知したが、安倍首相は普天間飛行場の危険性除去を理由に辺野古の工事を継続する考えを示した。玉城知事は日米特別行動委員会(SACO)に「With Okinawa(沖縄と共に)」を加え普天間を含めた基地問題を検証するSACWO(サコワ)の設置を提言したが、日本政府は応じていない。

 また、県は国土交通相が県の埋め立て承認撤回を取り消す裁決をしたことを受け、裁決取り消しを求める関与取り消し訴訟、抗告訴訟の2件の訴訟を起こした。

 県は沖縄防衛局から申請されているサンゴ移植のための特別採捕申請など、埋め立て承認を前提とする各種申請の判断を裁判後に先送りする方針を固めている。二つの訴訟のうち少なくとも一つの訴訟で司法の最終判断が出るまで各種申請は保留され、防衛局は移設のためのサンゴ移植などに着手できない。

 玉城知事は県民投票後、基地問題のトークキャラバンを東京と名古屋市で開催し、今後は大阪、札幌、福岡、仙台などでの実施も予定。全国世論を喚起した上での訪米を検討する。

 ただ、米議会では10月頃に成立が見込まれる国防権限法案を巡り、在沖海兵隊の分散配置の検証が盛り込まれる可能性がある。知事は同法案の議論など米国内動向を見据えながら訪米時期を判断する考えだ。