笑顔で向き合って 認知症の本 出版 佐世保出身の医師・音成龍司さん

「苦しいときこそ笑顔が大切なことを伝えたい」と話す音成さん=佐世保市浜田町、長崎新聞佐世保支社

 佐世保市出身の脳神経内科医、音成龍司さん(64)=久留米市在住=が、認知症の人との接し方と予防のための心構えをまとめた「笑顔の認知症」(図書出版のぶ工房)を出版した。「佐世保が認知症の人にとって暮らしやすい町になることにつながればうれしい」と話している。
 音成さんは、県立佐世保北高を卒業するまで市内で過ごした。長年パーキンソン病やてんかんなどの研究に従事。現在は久留米市で開業し、認知症患者などの診療を続けている。
 四つの章で構成。第1、2章は、認知症の高齢男性とその家族を題材にした自作の物語と、自ら経験した患者のケースを紹介。患者を説得したり否定したりしないことなど対応のこつや、徘徊・物忘れなど認知症特有とされる言動の背景を解説している。好奇心を持つことや笑顔を心掛けることなど、音成さんが認知症予防と進行防止に役立つと感じている心構えと習慣も提案。治療法の説明もしている。
 一般向けの書籍を手掛けるのは初めてだったという音成さん。「(認知症との付き合いには)『間違ってもいいや』という覚悟が必要。苦しいときこそ笑顔を忘れないでいることの大切さを知ってほしい」と話した。
 179ページで1400円(税抜き)。アマゾンなどで購入できる。

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