駿河太郎×尾上寛之「べしゃり暮らし」特別対談!「寛之やんねやろ。相方俺やで!」でホッとした尾上は…?

駿河太郎×尾上寛之「べしゃり暮らし」特別対談!「寛之やんねやろ。相方俺やで!」でホッとした尾上は…?

土曜の夜を漫才の“べしゃり”で盛り上げるドラマ「べしゃり暮らし」(テレビ朝日系)に、コンビ芸人“デジタルきんぎょ”として出演中の駿河太郎さん、尾上寛之さんをインタビュー。プライベートも仲がいいということで、取材部屋に入ってきてからずっと笑顔でおしゃべり。写真撮影中はカメラマンの声がけに笑顔で対応してくださったり、お互いを見て笑い合ったりと和気あいあいと取材は進行。信頼関係の深いお二人のトーク、最後までお楽しみください。

──ご出演が決まった時のお気持ちはいかがだったでしょうか。

尾上「もともと原作を知っていたので、『まさか自分が“デジきん”(デジタルきんぎょの略)をやることになるとは!』とうれしさと不安というか…。漫画の中でも(デジタルきんぎょが)担っている部分が大きかったので、最初は『うれしいけれど、めっちゃ怖いなあ』と思っていました。そしたら、(駿河)太郎さんから電話がかかってきて『寛之やんねやろ。相方俺やで!』って…」

駿河「ふふふ。そんな言い方してないやろ(笑)」

尾上「(駿河さんに向かって)もっかいやろうか?」

駿河「やらんでええねん!」

尾上「『寛之やんねやろ、相方俺やで!』って言われて」

駿河「ほんまにゆうたんかな、俺(笑)」

尾上「一気にホッとしましたね。太郎さんやったら、絶対おもろいコンビになれるなって思いましたね」

──と、尾上さんがおっしゃっていますが、駿河さんはいかがだったでしょう?

駿河「まったく一緒です!」

尾上・スタッフ「あはは」

尾上「ひどない!?」

駿河「一言一句、一緒です! 主語が変わるくらい!」

尾上「ひどいなあ」

駿河「ほんまにそう思ったんよ! 原作を知っていたから、『やべーの来たな』とまず思いましたね。『相方誰やろ?』と思ってたら寛之やったんで…」

尾上「で、なんて電話したんでしたっけ?」

駿河「(一呼吸おいて)『(寛之)やんねやろ、相方俺やで』!」

尾上「あはは。それそれそれ!」

駿河「いや~、でもほんまに相方が寛之でホッとしましたね」

──お二人がきちんと共演するのは、この「べしゃり暮らし」が初めてなんですよね。

駿河「そうですね。作品での共演とは別に、飲みに行ったりもしてたんです。普段の寛之も知ってるし、作品を見たりして『うまいな~』と思うし。だから、『(寛之に)助けてもらおう』と思いながら…」

尾上「あはは、こっちやから! 助けてもらうのこっちやから!」

駿河「甘えていこうとも思ったよね」

──作品において、大きな役割を担うデジタルきんぎょですが、演じてみていかがでしたか?

駿河「原作を知っている人は、『え!?』って思うくらいの役なんです。金本はいい先輩…ぶっきらぼうなんですけど、他の人には愛があるやつなんですよ。(隣の尾上さんに向かって)金本は人見知りなんかなあ…分からんけど、多くは語らんけれど、愛のある人やなと、そういう見え方をする先輩芸人役やったので、その感じや“先輩っぽさ”はどうやったら出んねやろって思いながら演じてましたね」

──以前、駿河さん演じる金本浩史は怖いイメージかなと解釈したから、怖いイメージを作って行ったら演出の劇団ひとりさんに 「怖すぎ!」って止められたと話されていたのですが…。

駿河「うんうん、止められましたね(笑)」

──どのくらいの怖い役作りをされていたのですか?

駿河「でも、そんなにガチガチには作っていってないんですよ。ただ、声のトーンは下げたり、しゃべらなくて目だけで『おう』と受け答える感じにしてたんです。でも、ひとりさんの演出って普段の僕らが出す空気感を役の延長線上に置いてくれるんですよ。前フリで怖すぎると、漫才をやっている時の僕らとのギャップがすごく出ちゃう。だから、そこはもうちょっと寄せてもいいんじゃないかなという判断で、『もうちょっと柔らかくしましょうか』っていう話になったんです。僕も『そうやな』って思ったから、怖い感じをやめて柔らかい感じで演じましたね」

──金本の相方、藤川則夫を演じた尾上さんはいかがだったでしょうか。

尾上「“デジタルきんぎょ”というコンビ自体が、若手のホープというか…一番売れていて、一番面白いと言われる芸人なんですよ。この話では先輩芸人たちが出ないので、自分たちが一番上なのかそうでないのかは分かりませんけれど、“トップにいる面白い人たち”というのが、かなりの責任感があって…。上妻圭右(間宮祥太朗)と辻本潤(渡辺大知)が『あの人たちみたいになるぞ!』と思う位置にいるのが僕らなので、僕らが面白くないと説得力がないから、その部分を出していきたいなと思って2人でやってきましたね。藤川は、かなりの酔いどれなんですけど、金本と同様に圭右たちにヒントは与えていくし、僕らも彼らからヒントを得ていくんです。その中で、金本とのギャップというか…2人の違いを出したいなと思いながら演じました」

駿河「金本よりは藤川の方が優しいですね。ちょっとお調子者のところもあるし…」

尾上「後輩にはすごく優しい“いい先輩”って感じですかね」

駿河「そうやな」

──コンビを組むと決まってから、お手本にされた芸人さんはいらっしゃいますか?

尾上「最初、ひとりさんに言われたのはブラックマヨネーズさんでしたね」

駿河「うん、ブラマヨさんやったな」

尾上「(劇団ひとりは)『ブラマヨさんみたいな、勢いのある漫才かな。2人は…』みたいな感じで言ってくださって」

駿河「俺は個人的に、人格や外見的にはダウンタウンの浜田雅功さんみたいな感じかなというイメージがあったけれど、衣装合わせでことごとくはねられました(笑)」

尾上「あはは、そうでしたね。漫才はずっと三拍子さんというコンビが大好きで、太郎さんにも『見てみて!』って…」

駿河「寛之から教えられて、俺もハマって」

尾上「面白いっすよね」

駿河「面白い! ようできてる! ネタがちゃんとしてるし」

尾上「デジきんのネタもちゃんとしてるんですよ。だからネタがしっかりしてて、その中で遊んでいくという感じにしたかったので、参考にさせてもらいましたね」

──コンビを組んで漫才をするうえで、難しかったことはありましたか?

駿河「(しばらく考えて)楽しかったからなあ」

尾上「楽しかった、しかないですね!」

駿河「僕らは本職じゃないんで、もちろん漫才をすることは緊張しましたよ。寛之がさっきから言っているように、この物語のデジきんが担う部分は大きかったし、漫才の出来というのは結構上のことを要求されていることは俺らも分かっていたから…。でも、そこは多少プレッシャーを感じつつも、寛之と疑似でもお笑い芸人を組んで漫才ができるということはワクワクしかなかったんですよね。まあ、それを実際見た人がどう感じるかは分からないけど、俺らはやれることはやったので…」

尾上「そうっすね。やることはやったと思うし、本当にただただ楽しかったですよね」

駿河「楽しかった! だから、困ったこととかはなかったよね」

尾上「そうですね」

駿河「あ、あのネタだけか…」

尾上「あ~、あのネタだけはちょっと…(笑)」

駿河「僕ら5本くらいネタやってるんですよ。その中の1個だけ、ひとりさんに言わせるとめちゃくちゃイマドキなネタがあったんですよ。他の4個は結構…」

尾上「王道な感じのね」

駿河「そうそう、王道でボケとツッコミがはっきりしている感じのネタで。要は、文字で読んでても『あ、ここボケるんやな』『ここツッコむんやな』っていうのがはっきりしている漫才で…。僕ら関西人で、俺は40歳を超えてるんで、世代的には分かりやすくてベタなものが好きなんですよ。そっちの方がやってて楽しいんですけど、1個だけ文字面で読んでたら『ふっつーのことしか言うてへんやん!』っていう台本があって…」

尾上「(爆笑)」

駿河「これどないしたらええの…って寛之と結構悩みましたね」

尾上「2人でずーっと『これどうやったらおもろなるかな』って」

駿河「『っていうか、おもろいんかな』ってね。それで、ひとりさんに相談に行ったら『う~ん、でもこの5本の中で僕がやるんだったら、このネタかな』って言って、一番普通のことしか言っていないネタを指したんですよ」

尾上「びっくりしましたよね」

駿河「びっくりして、『もう俺イマドキやないんや』って思ったね(笑)」

尾上「俺らがイマドキやないんですよね」

駿河「そうそう! ベタが好きなんやろうな」

──ベタなコントが好きということですが、コンビを演じる上で大事にされたことはありますか?

駿河・尾上「(奇麗にハモって)大事にされたこと!?」

スタッフ「(笑)」

尾上「なんでしょうね。空気感ですかね。そもそも、僕ら仲が悪いという設定なんですよ」

駿河「そうそう! 普段の私生活が仲いいから、そこが出んようにしたかな。普段信頼しかないんで…」

尾上「俺も!」

駿河「寛之に対して本当に信頼しかないんで、そこがなるべく出んように心がけましたね」

尾上「でも、漫才中はほんまに楽しくやっているっていう…」

駿河「そこは人前に出るプロとして、どんだけ仲悪かろうが舞台上に立っている時はちゃんとやっているというギャップが出た方がいいかなと。芝居に関してはやっぱり仲の悪さから徐々に仲良くなっていくんで、そこの違いを見せられればなと思いながら演じましたね」

尾上「そこにも注目していただけたらなあと思いますね」

──デジきんの不仲からのお互いを信頼していく過程は、台本を読みながらグッとくるものがありました! デジきんの活躍も見られる放送、楽しみにしています!

駿河・尾上「ありがとうございます」

尾上「…でも、ほんまですか?」

──えっ!? 本当です! 楽しみです!!

尾上「(駿河さんに向かって)どうします? 次会ったら『面白くなかったです』って言われたら」

駿河「う~わ、めっちゃショックやわ(笑)」

尾上「『漫才、ほんまに面白くなかったですわ』って言われたら」

駿河「(ちょっと考えて)すんませんでしたー! しか言われへんやん!(笑)」

尾上・スタッフ「あはは!」

──駿河さん、尾上さんありがとうございました!

駿河さん、尾上さんの仲の良さがとても伝わる空気感。そして、最後の最後にしっかり笑いに持っていき、周りにいたスタッフも終始笑顔でした。お二人がご出演されるドラマ「べしゃり暮らし」は今夜第5話放送です。

【番組情報】


「べしゃり暮らし」
テレビ朝日系
土曜 午後11:15~深夜0:05

【プロフィール】


駿河太郎(するが たろう)
1978年6月5日生まれ。兵庫県西宮市出身。大阪芸術大学を卒業後、2年間のイギリスでの音楽留学を経て、2003年にtaro名義でメジャーデビュー。その後、バンド「sleepydog」を結成し、ボーカル&ギターを担当。08年、30歳になったのを機に俳優業に転向。08年に公開された映画「デトロイト・メタル・シティ」で俳優デビュー。また、映画「孤高のメス」、「神様のカルテ」、「陽だまりの彼女」、「永遠の0」、「湯を沸かすほどの熱い愛」、ドラマ「黒の女教師」(TBS系)、「半沢直樹」(TBS系)、「越路吹雪物語」(テレビ朝日系)など数々の映画やドラマに出演。

尾上寛之(おのうえ ひろゆき)
1985年7月16日生まれ。大阪府茨木市出身。1994年朝の連続テレビ小説「ぴあの」(NHK)で子役としてデビューした。その後、連続テレビ小説「ひよっこ」「ひよっこ2」(NHK)、「ROOKIES」(TBS系)、「シグナル」(フジテレビ系)、「アンナチュラル」(TBS系)、「白い巨塔」(テレビ朝日系)、映画「パッチギ!」、「手紙」、「ROOKIES-卒業-」、「殿、利息でござる!」、「こどもつかい」、「3月のライオン」、「億男」、「葬式の名人」など、数々のドラマや映画に出演。

テレビ朝日担当/Y・O
撮影/蓮尾美智子

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