メクル第392号 カキ殻で大村湾をきれいに 諫早・喜々津小児童クラブが学習

川にカキ殻を設置する児童ら=諫早市、中里川

 地元の川や海をきれいにしようと、諫早(いさはや)市多良見町の市立喜々津(ききつ)小校区内にある二つの児童クラブが8日、大村湾(わん)につながる町内の中里川で、水質浄化(すいしつじょうか)に役立つとされるカキ殻設置(がらせっち)の環境(かんきょう)学習に取り組みました。
 3~5年生計43人が参加。大村湾の水質改善(かいぜん)を進めるNPO法人長崎海洋環境研究会が、地元の自治会や長崎大などと連携(れんけい)して毎年実施(じっし)しています。同研究会の山中孝友(やまなかたかとも)理事長(81)が最初に「波が静かで海藻(かいそう)も多く、近海から魚が卵(たまご)を産みにくる“母なる海”と言われるが、地理的に海水が入れかわりにくく、汚(よご)れやすいのが問題」と、大村湾の特徴(とくちょう)を説明しました。
 カキ殻については「殻の表面にすみ着く微生物(びせいぶつ)が、生活排水(はいすい)などに含(ふく)まれる汚れを食べて分解(ぶんかい)してくれます」と解説。費用を抑(おさ)えた汚染防止(おせんぼうし)の方法として研究が進んでいるそうです。
 子どもたちは川に移動(いどう)。カキ養殖(ようしょく)が盛(さか)んな市内の小長井(こながい)町漁協から提供(ていきょう)を受けた乾燥(かんそう)カキ殻を網(あみ)に詰(つ)め、川に沈(しず)めました。11月には沈めたカキ殻の上流と下流の水を比較(ひかく)し、浄化状況(じょうきょう)を確認(かくにん)する予定です。
 5年の野中大翔(のなかひろと)君(10)は「学んだことを生かして、家から食べ残しやごみを流さないように気をつけたい」と話しました。

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