陸上男子車いすマラソン 副島正純選手 最高の形 見せたい

「好きなことに挑戦し続けられてありがたい」と語る副島=諫早市、ソシオSOEJIMA

 諫早市を拠点に世界と戦い続ける陸上男子マラソン(車いす)の副島正純(ソシオSOEJIMA)。34歳で初出場した2004年アテネ大会から、4大会連続でパラリンピックに挑んできた。「出たい気持ちが一番強い」という東京大会まであと1年。夢舞台に懸ける思いを聞いた。

 -1年前を迎えた心境を。
 コンディションとパフォーマンスの現状を考えると、今までの中では一番余裕がないかもしれない。でも、自分の国で開かれるなら、そこにはいたい。東京であれば、応援も来てもらいやすい。自分が20年以上頑張ってきた競技の最高の形をそこに持っていきたい。

 -東京でパラが開かれることについて。
 九州にいると、盛り上がりはまだまだかな、という気もしている。ただ、自国開催だからこそ、そこを目指して頑張っている50歳になる人間がいると知ってもらえる。僕にとってはプラス。選手としてのモチベーションや、いろんな意味で追い風にはなっている。

 -目指すと決めたのはいつか。
 (13年に)東京開催が決まる前は(16年の)リオが最後かな、と思っていた。でも、決まった時点でそこに応援に行く気はなかった。やっぱり出たい、みんなに見てほしいと思った。挑戦せずに後悔したくなかったので、ギリギリまで頑張ってみようと決めた。

 -環境も変わってきている中で目指す東京。
 拠点にしていた福岡から13年に古里へ戻って、翌年に一般社団法人「ソシオSOEJIMA」を設立。後進育成や経験を伝える講演が増えるなど、活動の幅も広がった。僕自身の環境もそうだが、障害者スポーツの認知度も大きく変わった。始めた当時は競技をやることや食べていくことも厳しかったが、今は応援してもらえるようになって、それが仕事になった。挑戦し続けられるのはありがたく、幸せ。

 -ここまで競技を続けられている理由を。
 走ることが好きだから。好きなことを一生懸命やって人生が変えられる。走っていなければ、今の自分はない。

 -出場への条件は。
 代表選考方法が変わって、どうすれば確実に出られると言い切れないけれど、大事になるのは11月の大分国際車いすマラソンと、東京パラの出場枠が懸かる来年4月のロンドンマラソン。まずは大分で国内上位が得る予定のロンドンの出場権を取る。そして、ロンドンで優勝して東京パラを決めたい。そのための努力をしていく。

 -東京での目標を。
 世界と戦ってみたいと、00年から本格的に活動を始めた。最初のアテネはトラックのリレー種目で銅メダルを取り、その後の3大会はマラソンで個人メダルを目指したけれど、ロンドンの4位が最高。東京に出られたら、メダルがほしい。完全燃焼が最大の目標。

© 株式会社長崎新聞社