ラグビーW杯を楽しもう(1)事前・公認キャンプ地 長崎市 おもてなし準備着々

ラグビー初心者らを対象に開かれた「ラグビーW杯を100倍楽しむ講座」=長崎市魚の町、市民会館

 9月20日に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)。長崎県内で試合は開かれないが、長崎市はスコットランド代表チームの事前・公認キャンプ地となっており、おもてなしの準備を進めている。本番を前に、ふと考えた。ラグビーのルールはよく分からないけど、W杯って楽しめるの? そもそも、なぜ長崎はラグビーが盛んなの?

 2015年3月、長崎県は開催地に落選。県ラグビーフットボール協会は、すぐにキャンプ誘致に目標を切り替え、長崎市などと再始動した。「長崎とつながりがある国じゃないと難しい」と考え、ゆかりの深いトーマス・グラバーの出身地、スコットランドに絞る。グラバーを大切に思い続ける長崎人の熱意が届き、その年のクリスマスごろ、長崎は全国で1番目の事前キャンプ地に決定。18年4月には公認キャンプ地に内定した。

 選手との触れ合いも可能な事前キャンプは9月10~13日。多くの人に関わってもらおうと、民間レベルの取り組みも広がっている。今年2月、大学生や主婦、社会人らでつくるボランティア団体「NAGASAKI YOKABAI」が発足。約100人のメンバーが大会の周知活動をしている。9月12日に市内である歓迎会で、同国国歌を「1000人合唱」で披露するおもてなしも計画。ポスター掲示の協力の輪も広がり、市内近郊の45店舗(8月15日現在)まで増えた。

 団体の酒井宗一郎代表は「ラグビーを通じて一緒に楽しみ、多くの仲間をつくるきっかけにしてほしい」と話す。

 一方、ラグビー初心者に向けた活動も。8月上旬の夜、長崎市民会館の一室で「ラグビーW杯を100倍楽しむ講座」が開かれた。4年前の前回W杯で日本代表が強豪の南アフリカを破った「伝説の一戦」の映像が教材。約50人の参加者の中には女性も多く、県ラグビーフットボール協会の太田伸二理事がルール説明も交えながら、各プレーを分かりやすく解説。講座の後半は、スコットランド代表の熱狂的な女性ファンが「子どもに優しい」「センターコンビは世界一かっこいい」など独自の視点でチームを紹介した。

 大会には世界から約40万人が来日するとも予想されている。太田理事は「福岡、熊本、大分と九州でも試合がある。ラグビー界だけでなく、観光長崎にとっても大きなチャンス。『共有』『共感』をテーマに、たくさんの人に関わってほしい」と大会成功の鍵を語る。

 YOKABAIは、9月1日午前11時から県庁食堂で合唱の練習を計画している。問い合わせはメール(yokabai2019@gmail.com)で。

 県内ではこのほか、島原市がトンガ代表チームの公認キャンプ地になっている。

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