轟音、衝撃波、そして身体を揺さぶる振動が強烈!|陸上自衛隊総合火力演習

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総合火力演習2019 陸上自衛隊 10式戦車

令和初となる総合火力演習

陸上自衛隊が毎年実施している演習の中でも最大の規模となる『総合火力演習』(通称:総火演)が、東富士の畑岡演習場にて行われた。令和になって初めての総火演ということもあり、一般公開日となる8月25日(日)のチケットは多数の応募が寄せられ、かなりの高倍率になったという。

筆者は、一般公開に先駆け8月22日に行われた富士学校が主催する学校予行にて、総火演を始めて体験してきた。実弾を使っての演習、砲撃の音、衝撃波、そして振動は、いまだかつて経験したことのないレベル。ちょっとナメていた自分を恥じた。演習地手前に着弾したという設定の爆発では、スタンド全体が揺れるほど。上空で炸裂して頭上から降ってくる花火とはまったく違う音の伝わり方だった。

ド迫力! 戦車や装甲車の砲撃の瞬間を見る[フォトギャラリー]

総合火力演習(そうかえん)ってなに?

総合火力演習2019 陸上自衛隊 16式機動戦闘車(16MCV)
総合火力演習2019 陸上自衛隊 16式機動戦闘車(16MCV)

元々総火演は、陸上自衛隊富士学校の生徒が行う演習という位置づけだったそうだが、一般公開にあたり、広く自衛隊の活動を理解してもらおうという意味合いを強めている。内容としては、戦車や装甲戦闘車、自走式榴弾砲といった陸上自衛隊が使用している「装備品の紹介」と、それらの装備品を使い、設定されたシナリオに基づいて実弾/映像を交えながら演習を行うというものだ。

総合火力演習2019 陸上自衛隊 16式機動戦闘車(16MCV)

戦車も迫撃砲もショベルカーも全部『装備品』

軍事情報包括保護協定GSOMIAを韓国が破棄するという、微妙なタイミングで行われた今回の総火演は、前段演習と後段演習という2部で構成された。

まず10時からの前段では、平成22年度にデビューした10式戦車(通称:ヒトマル)や90式戦車(通称:キュウマル)による実弾演習を始め、16式機動戦闘車(16MCV)、96式装輪装甲車(WAPC)、軽装甲機動車(LAV)などなど、火器を備えたさまざまな車両による実弾演習が行われた。

10式戦車もスゴいけど、155mmりゅう弾砲が超刺激的!

総合火力演習2019 陸上自衛隊 10式戦車

ヒトマルは、コンパクトで軽量ながら120mm滑空砲を備える最新型の国産主力戦車で、高度な情報システムにより戦車間はもちろん本部などとリンクをしながら、作戦を遂行する能力をもつ。

ちなみに搭載されるエンジンはV型8気筒ディーゼルエンジンで、1200psを発揮、最高速度は70km/hなので、かなり速い。演習地を縦横無尽に駆け巡りながらの砲撃や、茂みに潜みながら砲撃でそのパフォーマンスを披露してくれた。

総合火力演習2019 陸上自衛隊 99式自走155mmりゅう弾砲(99HSP)
総合火力演習2019 陸上自衛隊 99式自走155mmりゅう弾砲(99HSP)

もっとも迫力があったのは99式自走155mmりゅう弾砲。スタンド最上段にいた筆者は砲撃直後身体を揺さぶる衝撃波を受け、思わずカメラがブレてしまったほど。演習場最前列のシート席では、砲撃の熱も感じるかもしれない。その他19式装輪155mmりゅう弾砲(砲撃せず)、155mmりゅう弾砲(FH70)、81mm迫撃砲(L16)や120mm迫撃砲(RT)なども次々と登場し、演習場全体が大いに揺れた。

総合火力演習2019

島国であることを意識させられる後段演習

11時からの後段演習では、「島嶼部における統合作戦」というシナリオに則った演習となった。内容としては、島上陸してくる敵に対して「島嶼部に配置した部隊による阻止」、「増援部隊による敵部隊の撃破その1」、「増援部隊による敵部隊の撃破その2」を行うというもの。

総合火力演習2019 陸上自衛隊 大型輸送ヘリコプターCH-47
総合火力演習2019 陸上自衛隊 大型輸送ヘリコプターCH-47

ここでは、前段演習で登場した各戦車や戦闘車両に加えて、対戦車ヘリコプター(AH-1S通称:コブラ)や大型輸送ヘリコプター(CH-47通称:チヌーク)といった航空機や、87式自走高射機関砲(87AW)、水陸両用車(AAV7)などなど、あらゆる陸上自衛隊の装備品を使って、シナリオが展開された。

演習地に各車両を配置し、モニターを使って説明したり、実際に誘導弾や滑空砲などの砲撃が行われたり、ヘリから降下した空挺部隊による迎撃など、その模様は本番を想定したものだけに真剣そのもの。島国であることをちょっと考えてしまった。

一度見ておいても損はないはず

総合火力演習2019
総合火力演習2019 陸上自衛隊 対戦車ヘリコプターAH-1S

実弾を使って、実戦さながらに行われた令和元年総合火力演習。もちろんショー的な要素も過分にあるが、国を守るという仕事の重要さと、従事する自衛隊員の頼もしさ、そして存在の意義を筆者は実感することができた。

来年もまた同様に総合火力演習は開催されると思われるので、興味のある方は応募してみてはどうだろうか。戦車や装甲車などを見て「すげーっ!」と思うのもいいだろうし、砲撃の音や衝撃波に圧倒されるのもいい。ちょっと変わった夏の終わりのイベントという感じで、ぜひその圧倒的な火力を感じてみてはどうだろうか?

[筆者:MOTA編集部/撮影:MOTA編集部]