【U-18W杯】佐々木朗希、大学J森下から学ぶ「自分にとってもプラスになる」

侍ジャパンU-18代表の大船渡・佐々木朗希【写真:Getty Images】

W杯へ国内最後の試合は日米野球を制した大学ジャパン 先発はMVPの森下

 30日から韓国・機張(きじゃん)で開催される「第29回WBSC U-18ベースボールワールドカップ」に参加する高校日本代表の記者会見と結団式が25日、都内で行われた。26日に神宮球場で行われる大学日本代表との壮行試合では、高校代表は最速163キロ右腕の佐々木朗希投手(大船渡3年)、大学代表は森下暢仁投手(明大4年)が先発することが発表となった。

 ともに今秋のドラフト1位確実な投手が先発。佐々木は短いイニングが予想されるが、高い投球術を持つ森下から、マウンドを通じて、その技術を学ぶことを誓った。

 佐々木は森下に敬意を表していた。投げ合うといっても、短い時間かもしれない。それでも同じマウンドに立てることを自分の肥やしにしたい。

「(森下投手は)今、プロにすぐいっても通用するレベルの高い投手。すごく自分にとってもプラスになりますし、投げているときだけじゃなくて、ベンチで見ながらでも……。動画では結構見させてもらっています。いい投手ということは知っているので何か勉強できたらいいと思います」

 森下は7月に行われた第43回日米大学野球選手権大会(全日本大学野球連盟、読売新聞社主催)で3試合で15イニング、自責2、防御率1.20。大会MVPに輝くなど、3大会ぶり19度目の優勝に大きく貢献した。

 150キロを超える直球を武器に、カットボールに落差のある大きなカーブなど多彩な変化球を持つ上、その精度も高い。米国代表監督が「両サイドををうまく使い、スピードに変化を付けている。素晴らしい投手だ」と脱帽したほど。大分商3年時の2015年は高校日本代表メンバーとしてW杯に出場している。経験豊富な投手だ。

 森下だけでなく、大学日本代表の投手陣はリリーフ陣も充実。日米野球第1戦ではメジャーリーガーの卵もいる強打線に相手に先発した森下が5回2安打、毎回の9奪三振。6回以降を、佐藤隼輔投手(筑波大)、山崎伊織投手(東海大)、吉田大喜投手(日体大)、伊藤大海投手(苫小牧駒大)が1イニングを無失点。全員で18個の三振を奪った。佐々木だけでなく、様々なタイプの投手たちから、ワンランク高い投球術を肌で感じることができる。

 投球回数について問われた佐々木は「言われていないですけど少ないイニングだと思います」と話したようにベンチで試合を見る時間の方が長くなる。マウンドを降りてからも、自分やチームのプラスになることを目で肌で感じ取る。

「高校野球というか日本代表に選ばれたので世界一なれるようにいろいろな面で全力を尽くしたいです。絶対に勝ちたいと思います」

 W杯の相手は大学ジャパンではないが、どんな相手でも負けるわけにはいかない。国内最後の対外試合で、収穫と課題を見出して、韓国に乗り込む。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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