【野球と音楽】草野球はバンドマンの遅刻を減らす!?―「僕たち草野球大好きドラマー」前半

「KEYTALK」の八木優樹、「SCOOBIE DO」のオカモト“MOBY”タクヤ、「04 Limited Sazabys」のKOUHEI(左から)【写真:福嶋剛】

「KEYTALK」×「04 Limited Sazabys」×「SCOOBIE DO」による夢の座談会

「野球」好き? 「音楽」好き? だったら、1つにつなげてしまおうという「Full-Count」特別企画。今回は、おなじみのラジオ番組、Full-Countプレゼンツ「NO BASEBALL, NO LIFE.」でMCを務める「SCOOBIE DO」のオカモト“MOBY”タクヤが、「KEYTALK」の八木優樹、そして「04 Limited Sazabys」のKOUHEIを迎えて、「草野球」をテーマに座談会を開催した。実は、草野球を楽しんでいるミュージシャンや音楽関係者は多い。今回は、彼らがいつまでも持つ野球少年な一面をご紹介する全2回。全国の草野球ファンが思わず頷く「あるある」が次々と登場し……。それでは、前半戦のプレイボール!

MOBY「八木君、KOUHEI君、今日はよろしくお願いします。八木君とは以前、フラワーカンパニーズのグレートマエカワさんとドラゴンズ対談をやったよね?」

八木「覚えてますよ。あれから1年半も経ったんですか? 今シーズンも『頑張れドラゴンズ』と言いたくなる状況が続いていますけど」

MOBY「苦戦が続いているね。KOUHEI君とは初めてになりますよね」

KOUHEI「はい。僕は愛知県出身なんで中日ファンですね。八木ちゃんとも同い年です」

MOBY「そうなんだ」

KOUHEI「ハンカチ世代、マエケンさんと同い年(1988年生まれ)です」

MOBY「ということは、僕は2人とは一回り違うから『野球好き・ドラマー・辰年』の3人だ(笑)。今回は『草野球』について語っていきたいと思います。僕は20年以上草野球をやっているんだけど、2人も同じチームでしているんだよね?」

八木「そうなんですよ。バホメッツ(Baphomets)というチームで、2人で一緒に作りました」

MOBY「2人で作ったんだ? 今日(7月30日取材)は試合を終えて、駆けつけてくれたんだよね。僕も今日は試合だったんだけど、それにしても酷い暑さでした」

八木「エグいっすね(笑)」

KOUHEI「エグいっすけど、吐きそうになるくらい練習した中学校時代を思い出して、懐かしかったですよ」

八木「そうそう。昔はもっとキツかったけど懐かしい感じがしたね」

――大人になると何でも楽しようとする一方で、野球ではあの頃のキツい練習をどこかで求めているような……。

八木「確かにそんな感じですね」

KOUHEI「それを楽しんでいるところがあるかもしれない」

――キツい練習の後には本業が待っているんですよね?

KOUHEI「そうですよ。今日は試合の後、リハーサルでしたから」

「SCOOBIE DO」のオカモト“MOBY”タクヤ【写真:福嶋剛】

八木「元々はKOUHEIと一緒にバッテリーを組みたいなと思って作ったチーム」

MOBY「バホメッツには、確か僕もよく知ってるライブハウスの店長さんもメンバーに入ってるんだよね。他にどんなメンバーがいるの?」

八木「MOSHIMOのギターのいっちゃん(一瀬貴之)とか、音楽関係者、あと下北沢界隈のインディーバンドのメンバーも多かったりしますね」

KOUHEI「八木ちゃんの人望ですぐにメンバーが集ってチームができたんです」

MOBY「そうなんだ。どれくらいの頻度で活動してるの?」

八木「多い時は週3とか」

MOBY「週3!? それはスゲェな(笑)」

八木「元々はKOUHEIがピッチャーで僕がキャッチャーで、一緒にバッテリーを組みたいなと思って作ったチームなんですよ」

MOBY「ドラマー2人がバッテリーって珍しいよね。KOUHEI君は元々ピッチャーやってたの?」

KOUHEI「中学の頃はセカンドをやっていて、今はピッチャー、ファースト、サード」

八木「基本どこでも守れる人です」

KOUHEI「高校に入ってからはハンドボールをやっていて、あとドラムも始めて、そのせいで全然肩が上がらなくなってしまい、今は外野はあまり守らなくなりました。速い球を投げられなくてもピッチャーはできますし」

MOBY「そうね。僕もで肩を壊して、まぁ経年劣化なんだけど(笑)」

八木「草野球やってる人は野球肩、野球肘の人って多いですよね?」

KOUHEI「たくさんいますよね」

MOBY「それを踏まえて、どこまで野球を続けるか?みたいな」

KOUHEI「ありますよね!」

八木「スゲェ分かります」

MOBY「八木君もポジションは基本どこでも?」

八木「そうですね。草野球たるものどこでも守れないといけませんから(笑)。基本キャッチャーで、今日の試合ではセンターでした。MOBYさんは左利きでしたっけ?」

MOBY「そう。僕は左投げ左打ちなんで、ファーストと外野。昔はピッチャーもやってました」

MOBY「ミュージシャンて不規則な生活になりがちなんだけど、草野球をやってると曜日感覚ってちゃんとあるよね?」

八木「だいたい火曜日に練習や試合があるので『まだ週始めか』みたいな感覚ってありますよね」

MOBY「週末ライブで月曜日に戻ってくるから、火曜日って昼までは予定が入らないことが多いんだよね。でも、大のオトナが火曜日の午前中に野球をやっているっていう光景、このカタルシス、堪らないね」

KOUHEI「ヤバいっすよね(笑)」

八木「アハハハ(笑)。他の人と逆行してますね」

「KEYTALK」の八木優樹(左)、「04 Limited Sazabys」のKOUHEI【写真:福嶋剛】

KOUHEI「僕は桑田真澄さんの野球学が結構好きでチェックしていますね」

MOBY「最近はオリンピックの影響で神宮外苑軟式野球場が使えなくなってしまって、草野球場を探すのも一苦労だよ。特に、世田谷公園は大人気でなかなか取れない」

KOUHEI「いい球場なんですけど、場所によってフライが上がると正面にあるマンションの白い壁で球が消えて見えなくなるんですよ(笑)」

MOBY「あるある(笑)」

八木「僕はもう、ここまで野球に打ち込んだのはホント久しぶりなんで、体力作りになってますね。ライブが終わっても疲れ知らずみたいな(笑)。あと早起きができるようになった」

MOBY「それ分かる。野球の日は目覚まし時計が鳴る前に起きる。子供の頃、おじさんたちがゴルフとか釣りで早起きする理由が、よく分かるようになった(笑)」

KOUHEI「野球を始めてから遅刻がなくなりましたね。たまに道具管理係になるから絶対遅刻できない」

MOBY「平日に大人が9人集まるって本当に貴重だから。その時間が尊くて野球がやめられないんだよね」

八木「分かります。尊い精神がないと成り立たないですよね。バンドも野球も衝動で始めるんですけど、続けるのってホント難しいですよね」

MOBY「ところで、野球をする時にお手本にする選手とかいる?」

KOUHEI「僕は桑田真澄さんの野球学が結構好きでチェックしていますね。変化球って実はカーブが一番難しいって話がありましたよね」

MOBY「そうだね。球の回転を唯一横にかける変化球だから、メジャーリーグでもカーブを投げるピッチャーって実はそんなに多くはいないんだよね」

KOUHEI「変化球を投げる時は(プロの)握り方とかお手本に試してますね。特にサイドスローにフォームを変えてからのスライダーとチェンジアップですね」

MOBY「チェンジアップはどういう握りで投げてる?」(ここでボールを渡す)

KOUHEI「最初に鷲づかみして、第2関節の部分を……」

MOBY「なるほど。パームボールみたいな感じだ」

KOUHEI「近いですね。投げた時にスーッと抜く感じで」

MOBY「桑田さんが以前紹介していた投げ方で、人差し指と中指を、中指と薬指に変えるとサークルチェンジになるんですよ」

八木「へえ。僕も試してもいいですか?」

(続く)

<プロフィール>
04 Limited Sazabys
2008年結成の4ピースロックバンド。9月4日にニューシングル「SEED」をCDやDVDではない特殊な形態でリリース。9月29日にはさいたまスーパーアリーナにてライブを開催。

KEYTALK
2009年結成の4ピースロックバンド。8月9日から毎週金曜日に4週間連続配信リリース中!

SCOOBIE DO
1995年結成のROCKとFUNKの最高沸点“Funk-a-lismo!”貫くサムライ四人衆。7月31日に14枚目となるアルバム「Have A Nice Day!」をリリース
(福嶋剛 / Tsuyoshi Fukushima)

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