U-18W杯は立身出世への登竜門? 成長を遂げる過去の代表メンバーたちの現在地

当時、侍U18代表に選出され活躍したソフトバンク・高橋純平(左)、日本ハム・清宮幸太郎【写真:Getty Images】

4年前の第27回大会にはソフトバンクの高橋純や明大の森下らが選出

 30日から韓国・機張(きじゃん)で開催される「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」。初の世界一を目指す野球日本代表「侍ジャパン」のU-18高校代表は26日、明治神宮野球場で大学日本代表と壮行試合を行う。

 今大会のメンバーには大船渡の最速163キロ右腕・佐々木朗希投手や、甲子園で準優勝した星稜の最速154キロ右腕・奥川恭伸投手をはじめ、創志学園の西純矢投手や春の選抜で優勝した東邦の石川昂弥内野手など、力のある選手たちが選ばれた。現時点での高校年代での精鋭たちである。

 U-18高校代表は今回で29回目を迎える「U-18ワールドカップ」と「BFA U-18アジア選手権」を隔年で戦う。2年に1度の開催となる「U-18 ワールドカップ」は、かつては「IBAF 18Uワールドカップとして開催され、2015年の第27回大会から現行の「WBSC U-18ワールドカップ」となった。

 その年代を代表する選手たちが招集されるU-18侍ジャパン高校代表。では、過去に「U-18ワールドカップ」代表メンバーたちはどれだけの選手がプロの道に進み、そして成長を遂げているのか。現行の「WBSC U-18ワールドカップ」となってからの2大会のメンバーを振り返ってみたい。

○2015年(第27回大会)
・投手
佐藤世那(仙台育英→オリックス→横浜球友クラブ)
成田翔(秋田商→ロッテ)
高橋樹也(花巻東→広島)
小笠原慎之介(東海大相模→中日)
上野翔太郎(中京大中京→駒大)
高橋純平(県岐阜商→ソフトバンク)
森下暢仁(大分商→明大)
勝俣翔貴(東海大菅生→国際武道大)
・捕手
伊藤寛士(中京大中京→法大)
郡司裕也(仙台育英→慶応大)
堀内謙伍(静岡→楽天)
・野手
平沢大河(仙台育英→ロッテ)
津田翔希(浦和学院→東洋大)
宇草孔基(常総学院→法大)
杉崎成輝(東海大相模→東海大)
篠原涼(敦賀気比→筑波大)
清宮幸太郎(早実→日本ハム)
豊田寛(東海大相模→国際武道大)
オコエ瑠偉(関東一→楽天)
船曳海(天理→法大)

 代表メンバー20人のうち、高卒でプロ入りしたのは9選手。中日の小笠原やロッテの平沢は早いうちから1軍での出場機会をつかみ、ソフトバンクの高橋純は今季一気に覚醒しブレークを果たした。楽天の堀内も1軍でマスクを被る機会が増え、当時1年生ながらメンバー入りしていた清宮もチーム事情によりプロ2年目で4番も任された。

 一方、残りの11人は大学に進学。4年間で順調に成長を遂げてきた選手も多い。大分商から明大に進んだ森下は今や大学ナンバーワン投手となり、今秋ドラフトの1位指名候補に。慶応大の郡司や法大の宇草、筑波大の篠原らは、森下とともに今年の日米大学野球の侍ジャパン大学代表にも選出されており、今回の壮行試合のメンバーにもなっている。

第28回大会には日ハム清宮やロッテ藤原、広島小園ら期待度の高い選手の名前が並ぶ

○2017年(第28回大会)
・投手
清水達也(花咲徳栄→中日)
川端健斗(秀岳館→立大)
三浦銀二(福岡大大濠→法大)
山下輝(木更津総合→法大)
桜井周斗(日大三→DeNA)
磯村峻平(中京大中京→明大)
徳山壮磨(大阪桐蔭→早大)
田浦文丸(秀岳館→ソフトバンク)
・捕手
中村奨成(広陵→広島)
古賀悠斗(福岡大大濠→中大)
・野手
西巻賢二(仙台育英→楽天)
鯨井祥敬(東海大市原望洋→東海大)
清宮幸太郎(早実→日本ハム)
安田尚憲(履正社→ロッテ)
井上大成(日大三→青学大)
小園海斗(報徳学園→広島)
丸山和郁(前橋育英→明大)
伊藤康祐(中京大中京→中日)
増田珠(横浜→ソフトバンク)
藤原恭大(大阪桐蔭→ロッテ)

 前回大会の代表メンバーで高卒でプロ入りしたのは11人。当時3年生だったメンバーは今季が2年目、2年生で選出されていた小園と藤原はルーキーイヤーとなっている。1年生時から代表メンバーだった清宮がこの世代の代表格。2年間で1軍112試合に出場している。楽天の西巻も昨季1軍で25試合に出場しポテンシャルの高さを感じさせている。ソフトバンクの田浦も今季1軍デビューを果たした。

 一方で大学進学組は9人。前橋育英から明大に進んだ丸山は2年生ながらレギュラーの座を掴み、日米大学野球の侍ジャパン大学代表にも選出された。今回の壮行試合のメンバーにもなっている。法大の三浦は1年生からリーグ戦のローテを担い、ここまで3季で7勝をあげている。磯村や徳山らもそれぞれの大学で出番を得ている。

 これまで精鋭を揃えながら、世界一には手が届かなかった侍ジャパンU-18高校代表。佐々木、奥川といった今秋ドラフト1位候補を擁する今大会は悲願の頂点に立つことはできるだろうか。(Full-Count編集部)

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