人が路上でゾウにメッタ刺しにされる サイによる死亡事故の前日にも悲劇は起きていた!

現地新聞はいっせいに惨状を伝えた(画像は、https://www.one31.net/news/detail/13654より)

8月25日に東京の多摩動物公園で飼育員がサイに角で突かれ死亡する事件が起きました。動物園内の公開ゾーンとは別の施設内での事件のため、このような惨事は一般人には起こりえないと思った人が多いのではないでしょうか。

しかしその前日に一般人が動物に襲われる事件が発生していたのです。しかも動物園内ではなくごく普通の道路上で。

24日朝、タイのリゾート観光地として有名で日本人も多く訪れるパタヤ近くの道路脇で人がゾウに襲われていると通報が入りました。救急車とレスキュー隊が現場に急行すると、道路脇の草むらに倒れ込んだ外国人男性をゾウが牙で突いて襲っている最中でした。

現場にいたゾウ使いらが制止しようと努力した甲斐もあって、ゾウはほどなくして現場を立ち去りました。

襲われた外国人男性は体中傷だらけで、とくに左足は牙で何度も突かれたために出血し傷がひどく身動きできない状態でした。男性が乗っていた自転車はゾウに踏みつけられたためにタイヤがねじ曲がっています。

ゾウ使いの証言によると、このゾウは現場から1キロほどの場所にあるパタヤ・エレファント・ビレッジで飼育されている38歳の雄ゾウで名前はプライトンプーン。他のエレファント・キャンプから1か月前に移ってきたばかりで他のゾウと離して鎖でつないでおいたところ、朝、発情して暴れ出した拍子に鎖が外れたことから、走って外へ逃げ出してしまったとのことでした。

ゾウ使いらは逃げたプライトンプーンの後を追ったところ、自転車をこいで運動中の外国人男性がプライトンプーンと道路上で遭遇したのを目撃しました。外国人男性は停止したのですが、発情して気性が荒いプライトンプーンは突如外国人男性目がけて走り出し、足で何度も踏みつけた後、牙で男性の左足を何度も突いたのでした。

プライトンプーンが現場を立ち去ったことでようやく外国人男性を救出し、救急車で病院へ搬送しました。

プライトンプーンは事件の1時間後、ゾウ使いが麻酔銃を撃ち眠らせてからエレファント・ビレッジに戻されました。

この外国人男性は、いつものように何の変哲もない道路上で自転車に乗って運動していただけなのにゾウに襲われて、何が何だか理解できなかったことでしょう。日本でもゾウではありませんが、輸送中の事故で家畜や競走馬が逃げ出すことは十分にありえます。動物園の外でも動物に襲われる危険性はゼロではないのです。(取材・文◎赤熊賢)

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