8月26日(月)侍ジャパン壮行試合 高校日本代表 対 大学日本代表 @神宮球場
両代表交えての集合写真の様子
2万8千人もの大観衆が見守る中で、先月日米大学野球選手権で優勝を遂げた大学日本代表と、Uー18W杯優勝を目標に全国の高校球児15万人の代表として選ばれた高校日本代表が大学野球の聖地・神宮球場で対戦した。慶大からは、柳町達(商4・慶應)と郡司裕也(環4・仙台育英)が大学日本代表のクリーンアップとして出場。試合は互いに一歩も引かず、引き分けで幕を閉じた。
高校日本代表 0 1 0 1 2 0 0 0 1 5 大学日本代表 0 0 0 3 0 1 0 0 1 5
大学日本代表バッテリー:森下暢(明大)、 早川(早大)、 村上(東洋大)、 内間(亜大)、 佐藤隼(筑波大)、 山崎(東海大)、 吉田(日体大)、 伊藤(苫駒大) -海野(東海大)、 古川(上武大)
大学日本代表本塁打:海野(4回ソロ)、牧(中大・6回ソロ)
プロ注目の森下暢(明大)と佐々木(大船渡高)の投げ合いで始まった今試合は、両投手とも150キロを超える直球と切れ味抜群の変化球を武器に初回を三者凡退で抑えた。
第1打席で右安打を放った郡司
最初に試合を動かしたのは高校日本代表だった。2回表、先頭の4番・石川(東邦高)が二塁打で出塁すると、大学日本代表の守備のミスをつき先制のホームを踏む。裏の攻撃では、4年前高校日本代表として世界と戦った郡司がチーム初安打を放つも、無得点に終わる。4回表にも、7番・熊田(東邦高)の中翼への適時打により高校日本代表に追加点を奪われ、0ー2とされる。反撃したい大学日本代表は、直後の攻撃で先頭、柳町の二塁打を足がかりに、7番・海野(東海大)の本塁打などで2番手の宮城(興南高)から3点を奪い逆転する。その後、大学日本代表が1点、高校日本代表が2点を追加し、同点のまま最終回を迎える。
左翼線へ二塁打を放った柳町
Uー18W杯を前に、大学生を倒し勢いに乗りたい高校日本代表は、代打・武岡(八戸学院光星高)が右翼線を破る二塁打でチャンスメイクし、続く打者の犠打で1死三塁のチャンスを作ると、今年の第101回全国大学野球選手権大会で奥川(星稜高)と共に星稜高校を準優勝に導いた山瀬(星稜高)が、追い込まれながらもスリーバントスクイズを決め、勝ち越しに成功する。高校生相手に負けられない大学日本代表は、最後の攻撃で主将・篠原(筑波大)が起死回生の同点打を放つも、美爆音で注目を浴びる習志野応援団に後押しを受けた飯塚(習志野高)を相手にあと一本が出ず、試合は5ー5の引き分けで幕を閉じた。
柳町はライト→センター→ライトの順で守りについた
郡司、柳町が試合後語ったように、今年の高校日本代表の投手陣は、今試合で156キロをマークした佐々木を筆頭に、多くの投手が完成度の高い投球を見せた。対する大学日本代表も、郡司、柳町の安打を含む二桁安打を放ち、試合は引き分けに終わったが、随所で先輩としての意地を見せた。
例年とは異なる拮抗した試合内容となった今年の壮行試合だが、両チームの選手にとって良い刺激を受ける試合となったに違いないだろう。高校日本代表には今後さらに結束を強め、初めての世界一を目指し頑張ってもらいたい。大学日本代表の各選手は自分の大学に戻り、チームを引っ張る立場として秋のシーズンを迎えるだろう。今試合に出場した、慶大の2選手は9月に開幕する秋のシーズンが最後となる。日本代表で経験したことを糧に、慶大3季ぶりのリーグ優勝を目指しチームを引っ張るに違いない。
(記事:堀内大生、写真:左近美月、小嶋華)
◆大学日本代表打撃成績
1 [7] 宇草(法大) 左飛 左邪飛 右安 四球 申告敬遠 2 [6] 小川(國學院大) 空三振 遊ゴロ H6 児玉(九産大) 一ゴロ 併殺打 見三振 3 [9]89 柳町(慶大) 空三振 左2 空三振 空三振 4 [4] 牧(中大) 左飛 左安① 左本① 中飛 5 [D] 郡司(慶大) 空三振 見三振 四球 RD 田中(亜大) 空三振 6 [3] 佐藤都(東洋大) 空三振 右安① 空三振 空三振 7 [2] 海野(東海大) 中安 左本① 三ゴロ 2 古川(上武大) 振逃 8 [8] 丸山(明大) 見三振 H9 森下翔(中大) 空三振 H5 篠原(筑波大) 中安 中安① 9 [5] 元山(東北福祉大) 空三振 H5 安本(法大) 空三振 H8 竹村(近畿大) 一ゴロ 空三振
◆大学日本代表投手成績
森下暢(明大) 2 7 31 1 2 0 1 0 早川(早大) 1 4 14 1 2 0 0 0 村上(東洋大) 1 6 20 3 3 0 1 1 内間(亜大) 0 2/3 5 19 2 0 1 2 2 佐藤隼(筑波大) 1 1/3 4 11 0 1 0 0 0 山崎(東海大) 1 3 12 0 2 0 0 0 吉田(日体大) 1 3 13 0 1 0 0- 0 伊藤(苫駒大) 1 5 18 1 1 0 1 1
◆慶大選手コメント
郡司裕也主将(環4・仙台育英)
ーー今日の試合を振り返って
大学からしたら情けない結果になってしまいました。高校生は大学生に謙虚な気持ちで向かってきてくれましたけど、やっぱりそういう気持ちで野球をしなきゃいけないんだなと実感しました。
ーー4年前はご自身も高校代表として出場しました
4年前は大学生の力に圧倒されて、大学生すごいな、と感じたのですが今日それを僕らは果たして見せられたのかわかりません。最近の高校生はすごいなと思いました。
ーー高校生すごいな、というのは具体的には
ピッチャーが全体的に球が速すぎる、全員完成度が高すぎるなと思いました。みんな150キロ超えたり近かったりしたので、僕らの時の甲子園メンバーそんなに速かったかなと。
ーー高校生ピッチャーの対策は
全くしてなかったですね。今年はカナダとか行って忙しかったので甲子園も見れてなかったので、誰が誰だかわからなくて。佐々木の球が速いっていうのは聞いてたのですが達が打たなかったので僕まで回って来なかったです。帰って叱っておきます笑
ーー1打席目の右安打が大学側の初安打でした
僕らしいヒットが出たなと思います。今オープン戦であまり結果が出てないので、これで調子が乗ってくれればいいなと思います。
ーー侍ジャパン全体を振り返って
去年落ちた時、4年になったら絶対選ばれてやるという気持ちで1年間頑張ってきました。最初は試合に出られなかったのですが、出たら絶対結果を残してやるぞと思っていて、(日米大学野球選手権大会の)4戦目でホームランも打てましたね。納得のいく、と言ったら違いますけど、まあまあ手応えのある代表選出だったのでそこは自信にして秋リーグも頑張ります。
ーー次の目標は
秋、絶対に優勝して日本一までつなげたいなと思います
ーーこれからに向けて意気込みを
春は明治にやられてその明治が優勝したので、秋は達と中心に(チームを)引っ張って、日本一まで導きたいなと思います。