島原城の遺構損壊 地権者側に「伝え忘れていた」 島原市教委陳謝

 長崎県指定史跡「島原城跡」(島原市)の埋蔵文化財包蔵地に含まれる櫓台(やぐらだい)跡の石垣が、文化財保護法に基づく調査をせずに取り壊された問題で、島原市教委は26日、市文化財保護審議会で再発防止策を報告し、陳謝した。委員からは「組織構造に問題がある」など厳しい意見が相次いだ。

 島原市教委社会教育課は、石垣付近を開発する際は発掘の届け出が必要なのに、同課の担当者が地権者側に「伝え忘れていた」と釈明。「貴重な石垣を守れず反省している」と陳謝した。

 委員は「文化財課の独立が必要」「島原城に関心があったら起きていない」などと指摘。森本和孝教育長は「新たな部署設置も働き掛けたい」と答えた。

 島原市教委は、8日に長崎県教委に顚末(てんまつ)書を提出したと報告。再発防止策などの指導を受け、市関係部署との連携や担当職員の増員などを進める方針という。

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