【野球と音楽】「ドラマー=捕手」説について大討論 ―「僕たち草野球大好きドラマー」後半

「KEYTALK」の八木優樹、「SCOOBIE DO」のオカモト“MOBY”タクヤ、「04 Limited Sazabys」のKOUHEI(左から)【写真:福嶋剛】

「KEYTALK」×「04 Limited Sazabys」×「SCOOBIE DO」による夢の座談会

「野球」好き? 「音楽」好き? だったら、1つにつなげてしまおうという「Full-Count」特別企画。今回は「SCOOBIE DO」のオカモト“MOBY”タクヤが、「KEYTALK」の八木優樹、そして「04 Limited Sazabys」のKOUHEIを迎えて、「草野球」をテーマに開催した座談会の後半戦をお届けする。今回は、ドラマーというポジションならでは生まれる野球と音楽の話題へと進む。それでは、後半戦のプレイボール!

MOBY「今回は野球好きのドラマー3人で『草野球を語ろう』というテーマで進めていますが、以前このシリーズでコレクターズの古市コータローさんと元ヤクルトの川崎憲次郎さんとの対談があって、『ドラマーとキャッチャーのポジションは似ている』という話題になったんです。そこで、今回はこの説についてドラマーのお2人に聞いてみたいなと」

KOUHEI「『ドラマー=キャッチャー』説は分かりますね」

八木「僕はキャッチャーですから(笑)。ボーカルのいる音楽的なポジションではドラマー=キャッチャーなのかなと思うんですけど、メンバー間の関係性だと必ずしもキャッチャーじゃないかなって思いますね。KOUHEIはピッチャー気質ですし、フロントマンが持っているようなものを感じますし」

KOUHEI「ピッチャーをやっていてフロントマンのように場の雰囲気を支配するみたいな感覚はあるんですけど、キャッチャーはバンドでいうと雰囲気を感じ取ってbpmをコントロールするドラマーみたいな役割なのかなって。ライブ感というか、ボーカルがこう言ったらこう行くぞ、みたいな。その時の空気感の作り方という部分で『ピッチャー=ボーカル』って感じることはありますね。うちはボーカルと僕で曲作りをしているので、ピッチャーとキャッチャーみたいなバッテリー感覚で音楽的な意見を交わすんです。八木ちゃんはいろんなものをまとめて、一番いい方法を選択してくれるタイプのドラマーかなって思っていて、僕は120%押し切るみたいな、そんなタイプの人間なんで」

MOBY「そもそもドラマー同士でバッテリーを組むなんて、なかなかないからね」

KOUHEI「音楽性も草野球で感じることってありますね」

「SCOOBIE DO」のオカモト“MOBY”タクヤ【写真:福嶋剛】

「ドラーマー=キャッチー」説ならぬ「ドラマー=三塁コーチャー」説が浮上

MOBY「面白いね。僕は最近『三塁ベースコーチが野球を変える~監督を代行する10番目の選手』(河出文庫)っていう本を読んで、ドラマーって三塁コーチャーなんじゃないのかなって思ったことがあって。キャッチャーって守りのポジションのことだよね。じゃあ攻撃の時ってどこ?って思った時、打席に立つとみんな三塁コーチャーにコンタクトするでしょ?」

八木「なるほど」

MOBY「三塁コーチャーは、厳密にはステージには立っていないんだけど、現場に一番近い存在だよね。だから、ライブでリズムが走っている時とか、もたついている時って、ドラムがリードして、メンバーもドラムにコンタクトを取る。これって野球だと三塁コーチャーなんじゃないのかなって」

八木「それしっくりきますね。野球とドラムに詳しくないと絶対に出てこない例え(笑)」

MOBY「そう考えると、ドラゴンズやWBC(第2、3回)でも三塁コーチャーをやっていた高代(延博)さんがドラマーだったら、的確でシャープなものすごくいいリズムを刻みそうだなって」

――もし高代さんがドラマーだったら、どんなジャンルのドラマーになるでしょう?

MOBY「ジャンプブルースとかニューオリンズのジャズとか。例えるとするなら、BO GUMBOSとか吾妻光良&スウィンギン・バッパーズの岡地曙裕さんタイプかな。実は容姿もちょっと似ていたりするし」

KOUHEI「僕は破天荒なタイプが好きなんですよ。野球選手でいうと糸井(嘉男)選手みたいな、べらぼうに肩が強いとか、オリジナリティがあってキャラクター的にも振り切っていて、それでいて結果を出している選手が好きなんですよ。ドラマーもそんなタイプが好きで、例えばCrossfaithのTatsuですね」

MOBY「彼は速いしうまいし」

KOUHEI「華もありますしね」

八木「キース・ムーンもそんな感じですよね。ちょっとキテレツ感があって」

MOBY「透明なフロアタムの中に水を張って金魚入れて叩くみたいな?」

八木「あれはヤバい(笑)。僕は好きなドラマーはジョジョ・メイヤーですね。好きな野球選手は立浪(和義)さんなので、皆さんに共通点を探してほしいんですけど」

MOBY「カリスマ性とか?」

八木「ああ確かに。正統派というか、立浪さんも最後までカッコよかったですよね。そう考えると面白いですよね」

「KEYTALK」の八木優樹(左)、「04 Limited Sazabys」のKOUHEI【写真:福嶋剛】

MOBY「コヤマとは大学の野球の授業で一緒で、初めて会ったのはグラウンドだから(笑)」

MOBY「ふたりはバンドメンバーと野球の話とかする?」

八木「うちはみんな興味を持ってくれて、メンバー全員1回はうちのチームの練習を見に来てくれましたね」

MOBY「KEYTALKはホント仲いいよね」

KOUHEI「うちは逆に、バンドに戻ったら野球の話題は高校野球の話くらいですね。でも、そういうオンとオフの切り替えを大事にしてます」

MOBY「うちはみんな中学や高校まで野球をやっていて、コヤマとは大学の野球の授業で一緒で、初めて会ったのは体育の授業があった野球のグラウンドだから(笑)」

八木「へえ(笑)、野球つながりなんですね」

MOBY「そう。今はもう野球が話題になることはないんだけど。対バン相手のメンバーと野球の話題になることってない?」

KOUHEI「音楽関係者で野球好きの人は結構いますよね。フェスとか映像のスイッチャーやってる人が、たまたま対戦相手のチームにいたりとか。八木ちゃんと会う時は野球の話ばかりでドラムの話って滅多にしないよね?」

八木「そうそう。僕は結構野球好きのバンドメンバーと話す機会が多くて、cinema staffのベースの三島(想平)さんやandropのギターの佐藤(拓也)さんは数少ないドラゴンズファンですね」

MOBY「いやぁ、今回は2人ともありがとうございました。是非とも対バンもしたいんだけど、お互いのチームで試合もしたいね」

八木「やりましょう。というかMOBYさん、うちのチームの助っ人に来て下さいよ」

KOUHEI「04 Limited Sazabysとも対バンやりましょうよ!」

MOBY「是非! じゃあ、野球終わりで腹も減ったし、みんなでラーメン食べに行こうか(注:このあとMOBYが連載中の『リズム&ドラム・マガジン』ラーメンコラムの取材に全員で移動しました)」

八木「草野球っぽい(笑)」

(終わり)

<プロフィール>
04 Limited Sazabys
2008年結成の4ピースロックバンド。9月4日にニューシングル「SEED」をCDやDVDではない特殊な形態でリリース。9月29日にはさいたまスーパーアリーナにてライブを開催。

KEYTALK
2009年結成の4ピースロックバンド。8月9日から毎週金曜日に4週間連続配信リリース中!

SCOOBIE DO
1995年結成のROCKとFUNKの最高沸点“Funk-a-lismo!”貫くサムライ四人衆。7月31日に14枚目となるアルバム「Have A Nice Day!」をリリース
(福嶋剛 / Tsuyoshi Fukushima)

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