新東名開通、最大3年遅れも 用地取得の遅れなどが原因

新東名高速道路の開通予定時期

 中日本高速道路は27日、新東名高速道路の未開通区間のうち、2020年度開通予定だった伊勢原大山-御殿場間(39キロ)の開通時期が最長3年遅れることを明らかにした。用地取得の遅れや埋蔵文化財調査などにより工事が遅延しているのが理由。一方、19年度開通予定だった伊勢原ジャンクション(JCT)-伊勢原大山間は年内に開通する見通し。

 同日に横浜市内で開かれた関係機関による連絡調整会議で、同社が公表した。全線開通予定も20年度から23年度にずれ込み、同社は「一日も早い開通に向けて工事を進める」としている。

 新東名は、海老名南JCT-豊田東JCT(愛知県豊田市)間の253キロ。御殿場JCTまでの200キロのほか、県内区間の海老名南JCT-厚木南間(2キロ)と厚木南-伊勢原JCT間(4キロ)が開通している。

 伊勢原大山-秦野間の遅れは、一部の用地取得の難航のほか、約26万平方メートルに及ぶ埋蔵文化財調査が理由という。工事区間の秦野、伊勢原両市では、旧石器時代の遺跡も確認され、調査が進められている。

 秦野-御殿場間の遅れは、18年9月に松田町内で発生したのり面崩落や、想定以上の地盤の破砕が確認されたことにより、橋梁(きょうりょう)などの構造と施工計画の見直しが必要になったためという。

 御殿場-御殿場JCT間は、当初の計画通り20年度の開通を予定している。

 同社は「新東名の開通に対する地域の期待が大きいことは承知している」とし、「開通が遅延することで地域に迷惑を掛けるが、新たな開通目標に向けて鋭意事業を推進していく」としている。

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