鈴木が初タイトルなるか? ビシエド、糸井の経験者か? どうなるセの首位打者争い

中日・ビシエド、広島・鈴木誠也、阪神・糸井嘉男(左から)【写真:荒川祐史】

糸井が獲得すれば最高齢首位打者&史上3人目の両リーグ首位打者

 いよいよ今季の各部門タイトル争いも佳境に入ってきた。この時点でのセ・リーグの首位打者争いを見ていこう。

【セ・リーグ】 8月27日時点での打率5傑

1鈴木誠也(広)420打数142安打 打率.338(.407)
2ビシエド(中)443打数142安打 打率.321(.388)
3糸井嘉男(神)382打数120安打 打率.314(.433)
4大島洋平(中)453打数141安打 打率.311(.302)
5高橋周平(中)335打数104安打 打率.310(.226)

()は8月の月間打率

 鈴木が1位をキープ。2位にビシエドがつけている。ともに月間打率は4割前後と高い。ビシエドは昨年の首位打者で経験も豊富。25歳と若い鈴木を追い詰める可能性もあるが、3位の糸井が上位2人を上回る元気さだ。

 糸井はオリックス時代の2014年に首位打者を獲得している。また、糸井の打数は鈴木やビシエドよりも40~60も少ない。1安打当たりの打率の上り幅が大きく、ここからの追撃は十分に可能だろう。

 4位の大島は今月に入って打率を落としている。同僚の高橋は長く打率1位をキープしてきたが、7月16日の阪神戦で「右小指橈側側副靭帯断裂」の重傷。8月16日に復帰するまで1カ月間戦線離脱した。かろうじて規定打席はキープしているものの、調子は戻ってきていない。

鈴木が首位打者を獲得すれば、広島の打者としては2004年の嶋重宣以来15年ぶり

 昨年と一昨年の8月末時点での打率5傑

○2018年
1ビシエド(中)426打数148安打 打率.347
2平田良介(中)402打数135安打 打率.336
3鈴木誠也(広)328打数110安打 打率.335
4坂本勇人(巨)354打数117安打 打率.331
5青木宣親(ヤ)406打数133安打 打率.328

○2017年
1宮崎敏郎(De)392打数125安打 打率.319
2マギー (巨)425打数134安打 打率.315
3丸佳浩 (広)478打数150安打 打率.314
4大島洋平(中)476打数149安打 打率.313
5安部友裕(広)358打数111安打 打率.310

 両年とも、この時点での首位打者が最終的にタイトルを取っているが、2017年はまれにみる大混戦。1分以内に5人がひしめいていた。宮崎は最終的に.323まで打率を上げた。

 一般的に打撃、とりわけ打率争いでは左打者が有利とされるが、セ・リーグはここ3年間、2位までが右打者。過去5年間の首位打者も2015年のヤクルト川端を除いて右打者。この間、パ・リーグはすべて左打者。際立った違いを見せている。

 鈴木が首位打者を獲得すれば、広島の打者としては2004年の嶋重宣以来15年ぶり。ビシエドが取れば外国人打者としては1994~96年に3年連続で首位打者になった中日のパウエル以来の連続首位打者になる。

 糸井が首位打者になれば、江藤慎一(中日、ロッテ)、内川聖一(横浜、ソフトバンク)に次ぐ史上3人目の両リーグ首位打者。38歳シーズンでの首位打者は、1979年のミヤーン(大洋)、1989年のクロマティ(巨人)、2008年のリック(楽天)の36歳シーズンを上回り、史上最高齢になる。(広尾晃 / Koh Hiroo)

© 株式会社Creative2