長崎県被爆者手帳友の会 新会長に朝長万左男氏

朝長万左男新会長

 長崎の被爆者5団体の一つ、県被爆者手帳友の会は27日、役員会を開き、7月30日に83歳で死去した井原東洋一前会長の後任に、日赤長崎原爆病院名誉院長の朝長万左男氏(76)を選出した。朝長氏は「『核も戦争もない地球を子どもたちへ』という会のモットーを実現させるため、一丸となりたい」と抱負を述べた。
 同会は1967年に発足し、会員は約2千人。朝長氏は会員ではなかったが、井原氏が亡くなる前の7月上旬、朝長氏に後任を要請していた。朝長氏が3代目の会長になる。
 朝長氏は2歳の時、爆心地から2.7キロで被爆した。長崎大医学部を卒業し、被爆者医療や放射線の人体影響の研究に従事。核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員長、核保有国と非保有国の有識者が核軍縮の方策を話し合う外務省主催の「賢人会議」委員なども務めてきた。
 市内で会見した朝長氏は「(医師としての)キャリアと被爆者団体の代表では活動の領域が異なり、迷いはあったが、核廃絶という目的は同じ」と要請を受けた理由を説明。被爆者の国際的な発信力の強化、他団体との連携に力を入れる考えを示した。

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