シーズンも残り1か月 去就も気になる各球団ベテラン選手の今季と現在地

中日・山井大介(左)、阪神・福留孝介【写真:荒川祐史】

阪神福留、中日山井、巨人阿部は40歳を超えても1軍でプレー

 プロ野球のペナントレースは終盤戦に差し掛かり、残り試合も30試合を切った。リーグの頂点を巡る戦いもいよいよクライマックスを迎え、各球団がラストスパートをかけていく。

 2019年のシーズンが終わるまでは残り1か月ほど。ペナントの行方とともにファンにとって気になる関心事の1つとなるのが、贔屓のチームに在籍するベテランたちの去就だろう。

 既にロッテの福浦和也内野手、日本ハムの田中賢介内野手は今季限りでの現役引退を表明している。そこで、ここでは各球団のベテラン選手たちの今季ここまでの成績を振り返り、現在地を探ってみよう。

【1975年世代】
福浦和也(ロッテ)43歳
1軍:出場なし
2軍:11試合10打数3安打0本塁打3打点 .300

【1977年世代】
福留孝介(阪神)42歳
1軍:82試合277打数71安打8本塁打38打点 .256

【1978年世代】
山井大介(中日)41歳
1軍:12試合3勝5敗0セーブ0ホールド 防4.84
阿部慎之助(巨人)40歳
1軍:73試合114打数34安打5本塁打23打点 .298

 今季での引退を決断している43歳の福浦は今季1軍出場はまだなし。2軍打撃コーチも兼務しており、2軍でも11試合の出場にとどまっている。一方で42歳の福留は阪神でレギュラーとして活躍。打率は.256ながら勝負強い打撃は健在。球界最年長投手となった中日の山井は先発で12試合に登板。救援陣が打たれて白星を逃すなどの不運もありながら、3勝を挙げており老け込んではいない。巨人の阿部も代打出場などが多いながら、打率.298をマークし、さすがの成績を残している。

明暗分かれる“松坂世代”、松坂大輔は1軍未勝利

【1979年世代】
能見篤史(阪神)40歳
1軍:44試合1勝1敗0セーブ16ホールド 防4.38
五十嵐亮太(ヤクルト)40歳
1軍:44試合5勝1敗0セーブ3ホールド 防3.05
石原慶幸(広島)39歳
1軍:25試合47打数7安打0本塁打3打点 .149
細川亨(ロッテ)39歳
1軍:23試合6打数2安打0本塁打1打点 .333
石川雅規(ヤクルト)39歳
1軍:19試合6勝5敗0セーブ0ホールド 防3.45

 阪神の能見は中継ぎとして44試合に登板し、今でも阪神に欠かせぬ存在。五十嵐は昨季でソフトバンクを戦力外に。古巣のヤクルトに復帰すると、中継ぎで44試合に登板しており、貴重な戦力となっている。石原は2番手捕手として、主にジョンソンとコンビを組んで出場。細川は終盤戦に入り“抑え捕手”としての起用が増えている。石川はローテの一角を担って、苦戦の続くヤクルトで6勝をマークしている。

【1980年世代】
久保裕也(楽天)39歳
1軍:18試合2勝1敗0セーブ2ホールド 防3.26
藤川球児(阪神)39歳
1軍:45試合4勝1敗9セーブ22ホールド 防1.60
松坂大輔(中日)38歳
1軍:2試合0勝1敗0セーブ0ホールド 防16.88
2軍:6試合1勝3敗0セーブ0ホールド 防2.89
渡辺直人(楽天)38歳
1軍:19試合16打数1安打1本塁打1打点 .063
永川勝浩(広島)38歳
1軍:登板なし
2軍:18試合0勝3敗1セーブ0ホールド 防6.19
実松一成(日本ハム)38歳
1軍:5試合1打数0安打0本塁打0打点 .000
2軍:10試合4打数0安打0本塁打0打点 .000
和田毅(ソフトバンク)38歳
1軍:8試合4勝2敗0セーブ0ホールド 防2.76
館山昌平(ヤクルト)38歳
1軍:1試合0勝1敗0セーブ0ホールド 防6.00
2軍:17試合4勝4敗0セーブ0ホールド 防3.61

 いわゆる“松坂世代”の1980年生まれの世代。際立つのが阪神の藤川の活躍だ。ここまで45試合に登板して防御率は1.60。ドリスの不振によりセットアッパーからクローザーへと役割を変えて阪神を支えている。ソフトバンクの和田は左肩痛から復帰すると、ここまで8試合に先発して4勝をマーク。復活を果たした。楽天の久保も6月から8月半ばにかけて1軍で19試合に登板している。

 その他の選手は苦戦が続く。世代の中心である中日の松坂は春季キャンプ中にファンとの接触で右肩の炎症を発症。7月16日の阪神戦で1軍復帰を果たして5回2失点と好投したが、2度目の先発となった同27日のDeNA戦で1アウトしか取れず8安打8失点と炎上して2軍降格となった。日本ハムで2軍育成コーチを兼任している実松は1軍では5試合出場にとどまる。渡辺は19試合に出場しているが、ソロ本塁打の1安打のみ。館山は1軍登板1試合、永川は1軍登板なしとなっている。

ヤクルト青木、阪神糸井の活躍が際立つ1981年生まれ世代

【1981年世代】
デニス・サファテ(ソフトバンク)38歳
1軍:登板なし
2軍:登板なし
鶴岡慎也(日本ハム)38歳
1軍:34試合61打数10安打1本塁打4打点 .164
2軍:1試合3打数2安打0本塁打0打点 .667
岩隈久志(巨人)38歳
1軍:登板なし
2軍:2試合0勝0敗0セーブ0ホールド 防0.00
岸田護(オリックス)38歳
1軍:登板なし
2軍:5試合0勝0敗0セーブ0ホールド 1.93
藤井淳志(中日)38歳
1軍:44試合104打数27安打1本塁打10打点 .260
田中賢介(日本ハム)38歳
1軍:70試合113打数31安打1本塁打14打点 .274
鳥谷敬(阪神)38歳
1軍:55試合76打数16安打0本塁打0打点 .211
糸井嘉男(阪神)38歳
1軍:103試合382打数120安打5本塁打42打点 .314
ランディ・メッセンジャー(阪神)38歳
1軍:13試合3勝7敗0セーブ0ホールド 防4.69
高谷裕亮(ソフトバンク)37歳
1軍:40試合15打数3安打0本塁打0打点 .200
青木宣親(ヤクルト)37歳
1軍:116試合436打数132安打16本塁打52打点 .303

 38歳となる1981年世代ではヤクルトの青木、阪神の“超人”糸井の働きが際立つ。青木は打率.303で16本塁打を放ち、糸井も打率.314と貧打に悩む阪神の中で結果を残している。今季で引退となる田中賢も70試合に出場して打率.274と健在ぶりを見せている。

 阪神の鳥谷は控えが中心ではあるものの、1軍で55試合に出場。献身的にチームのために働いている。中日の藤井も後半戦に入って1軍でプレー。日本ハムの鶴岡はバッテリーコーチを兼任しており、6月29日の登録抹消後もコーチとしてチームを支えている。

 一方でサファテ、岩隈、岸田は1軍登板なし。サファテは昨年受けた股関節の手術の影響が残り、シーズン開幕後にトレーニングのためにアメリカに帰国した。2017年9月に右肩を手術した岩隈は8月半ばにイースタン・リーグで実戦に復帰した。(Full-Count編集部)

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