国重文の楼門復興へ 地震で被災の阿蘇神社、23年完成めざす

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阿蘇神社楼門の組み立て工事に向けた安全祈願祭でくわ入れをする阿蘇惟邑宮司=28日、阿蘇市(山下友吾)

 阿蘇市の阿蘇神社は28日、熊本地震で全壊した国指定重要文化財の楼門の組み立て工事に着手した。2023年12月の完成を目指す。

 同神社では本震で複数の社殿が被災。楼門は17年11月に解体を終え、部材約1万点の調査や修復を進めてきた。特殊な工法を使って被災前の部材7割を再利用する計画。熊本地震と同規模の揺れに耐えられるよう、鉄骨材で建物を補強する。総事業費は13億6300万円。

 今後は高さ26メートル、25メートル四方の巨大な素屋根を建設し、中で修復を終えた部材を下から順に組み立てる。「変形やねじれのある部材もあり、鉄骨材と組み合わせる難しい作業となる」と設計監理を担う文化財建造物保存協会の大川畑博文所長。

 全壊した拝殿も同日着工した。地元材を活用し、21年6月の再建を目指す。総事業費約7億200万円のうち、半額は指定寄付金制度を活用し確保した。

 この日は安全祈願祭があり、約70人が参列。阿蘇惟邑[これくに]宮司(30)は「多くの支援と協力でこの日を迎えることができ、心より感謝したい」。小代勝久・氏子会長(84)も「ここからが本当の再建スタート。楼門と拝殿に再び大しめ縄をかける日が待ち遠しい」と喜んだ。

 楼門を除く国重文5棟は18年度で修復が完了している。(中尾有希)