移籍市場もそろそろ閉幕。今年の夏も多くのビッグディールが誕生した。
チームの主力が引き抜かれて、戦力に大きな変化があったクラブも少なくないだろう。今回はくすぶっていた選手で、主力の移籍を機にブレイクしそうな選手を紹介しよう。
マッティア・デ・シリオ(ユヴェントス)
カンセロの移籍で今季“きそう”な選手だ。新しくサッリ監督を迎え、ポジショナルプレーに大きく舵をきったユヴェントスは、より守備的な特徴を持つデ・シリオを残した。
ミランの下部組織出身ということで、基本的な技術はバッチリ。両サイドバックでのプレーが可能であり、IQの高いプレイヤーとして重宝されるに違いない。
攻撃面での貢献は改善しなければならないところではあるが、サッリ監督はSBに対してまず完璧な守備を求めるので、デ・シリオは他の選手と違う特徴を出せるだろう。
ユルゲン・エッケレンカンプ(アヤックス)
バルセロナへと飛び立っていったフレンキー・デ・ヨングの後釜としてブレイクしそうなのがエッケレンカンプだ。
主力が移籍しても、すぐに次なる若手が出てくるのがアヤックスというクラブだが、フレンキーの穴はそう簡単に埋められないだろう。それほど大きな戦力を失ったわけだが、エッケレンカンプは穴を防ぐことができるかもしれない。それほどにこの19歳がもつ可能性は大きいのだ。
ラストパスを出すことができ、ボールを運ぶことができる。アヤックスの下部組織で育てられ、アヤックスのDNAは刻み込まれている。ファーストチームでも同じようにできるか期待のシーズンである。
フィリップ・ベンコヴィッチ(レスター)
マグワイアの移籍で日の目を見そうなのがベンコヴィッチ。
モーガンは35歳、エヴァンズも31歳となりフル稼働は出来なくなった。昨シーズンに獲得したチャーラル・ソユンジュとともに、全試合に出場する可能性は低いだろうが、若手二枚看板として活躍するのではと筆者は期待する。
線は細いが194㎝の長身と、足元の技術が強みであり、プレミアリーグのフィジカルに適用することさえできれば、マグワイアの影は今シーズン明るみにならないかもしれない。
セルティックでの活躍はまぐれではなく、プレミアでも活躍できるということを見せてほしい。
ジョアン・フィリペ(ベンフィカ)
ジョアン・フェリックスの移籍でブレイクしそうなのがジョアン・フィリペだ。
ジョタという名前でも親しまれているポルトガル人のフォワードは、U-15からポルトガルの世代別代表に選出され、すべてのカテゴリーで活躍し現在はU-21でプレイしている。またU-17、U-19のヨーロッパチャンピオンになり、U-19のトーナメントでは得点王にも輝いた。
ベンフィカのトップチームではなかなか出場機会が得られていなかったが、フェリックスの移籍で出場機会を得られることになるだろう。キレのあるドリブルとスピード、得点感覚を備えており、フェリックスよりもよりロナウド色が強い。シーズンが終わった頃には違うクラブにいるかもしれない。
ライアン・フラーフェンベルフ(アヤックス)
こちらもフレンキーの陰から出てきそうなアヤックスの選手。セードルフが保持していたアヤックスの最年少デビューの記録を破り、16歳130日でエールディビジでデビューを果たした選手だ。
巷では“ニュー・ポグバ”と呼ばれ、若手の宝庫アヤックスの中でもポテンシャルはずば抜けているだろう。190cmという長身の攻撃的なミッドフィルダーで相当テクニカルな選手だ。近年ヨーロッパサッカーを席巻してきたアフリカの血も入っており、ポグバと多くの共通点がみられる。
大きな違いはアヤックスというエッセンスが入っている事だろう。どんなプレースタイルにも合わせられる強みは今シーズンのアヤックスでも違いを作れるはずだ。