アジアの若者、絆の演奏 ユースオーケストラ、20年ぶり熊本公演

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20年ぶりの熊本公演で圧巻の演奏を披露したアジアユースオーケストラ=熊本市中央区

 アジア各国の若者でつくるアジアユースオーケストラ(AYO)が27日夜、熊本市中央区の県立劇場で20年ぶり4回目となる熊本公演を開いた。熊本はAYOが1990年にデビューを飾った“発祥の地”。当時の関係者らが見守る中、息の合った演奏を披露した。

 AYOはオーディションで選ばれた11カ国・地域の若者105人。中国、香港、台湾、韓国、日本で計14公演を行い、31日の東京でフィナーレを迎える。

 熊本公演には過去に団員をホームステイで受け入れた家族や、熊本地震の被災者も招かれた。冒頭、AYO創設者で指揮者のリチャード・パンチャスさん(75)は、デビュー公演実現へ奔走した猪本乙矢さん(故人、元熊本ユースシンフォニーオーケストラ理事長)へ謝辞を送り、「彼がいないのは残念だが、旧知の人々と再会でき、歓迎してもらえてうれしい」と語った。

 演目はリムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」「シェヘラザード」ほか。ブルッフ「バイオリン協奏曲第1番」は気鋭のバイオリニスト服部百音さん(20)がソリストを務めた。国境を超え、音楽の絆で結ばれた団員らの力強くも繊細なハーモニーに、観客らは盛んに拍手を送った。

 猪本さんの妻で熊本ユース現理事長の耀子さん(79)=熊本市=は「アジアの政情が不安定な中、若者たちのつながりはますます重要になる。息長く続けてほしい」。韓国出身メンバーのソン・ヒョクチンさん(25)は「(日韓関係の悪化で)来日に不安もあったが、温かい歓迎を受けて安心した」と話した。(平澤碧惟)