ナッツの分子、脂肪細胞の肥大抑止や代謝プロフィール改善に効果期待

ナッツの分子、脂肪細胞の肥大抑止や代謝プロフィール改善に効果期待

AsiaNet 80220

【レウス、スペイン、2019年8月27日、PRNewswire】INCの資金によって近日実施された研究が『コミュニケーションズ・バイオロジー』(参考1)という学術雑誌に掲載され、くるみやヘーゼルナッツなどのナッツ類が脂肪細胞の代謝プロフィール改善に効果を持つ可能性がある、と発表しました。同研究はさらに、これらのナッツ類が持つ新たな肥大抑止作用についても言及しました。

肥満は、過剰に摂取されたエネルギーを蓄えておくために脂肪組織が肥大することで起こります。カロリーを余分に摂ると、脂肪細胞が形成され、その肥大を促進する分子が多く作られるために脂肪細胞の劣化(老化)が進んでしまうことが考えられます。肥満の人がインスリンに対する抗体そしてタイプ2の糖尿病を発症する過程においては、軽度の細胞肥大をまず発症することが鍵となっています。

今回の研究の目玉は、くるみやヘーゼルナッツに見られ、小胞体 (細胞間のやり取りにおいて出現する物体)によって運ばれるマイクロRNA (遺伝子の発現を司る働きに関連する小さな核酸)に注目し、その抗肥大作用と脂肪細胞における代謝プロフィールへの効用を確認したことです。

本研究では、2つの植物性マイクロ核酸(miR156cとmiR159a)を保存し肥満のネズミ (高脂肪の食事を摂取)を使って実験することで、これらの核酸には脂肪細胞肥大反応を抑制し、インスリンへの反応を復活させる効果があることが分かりました。研究結果によると、ナッツのマイクロ核酸には脂肪細胞の代謝プロフィールを改善する効果があり、さらにナッツ類を含む植物性食物には今まで発見されていなかった抗肥大作用があるため、軽度の脂肪細胞肥大の治療にも有効である可能性が高いということが分かりました。

ローマ大学トルベルガータ校の研究者であり、今回の研究における調査責任者を務めたレティエリ・バルバト博士は、「我々の研究によって、高い生物学的利用能と抗肥大作用を持ち、かつ肥満につながる代謝疾病の発達を抑制する効果があるナッツの核酸を割り出すことができました。」とコメントしています。

今回の研究はINCの資金提供により実施されました。

国際ナッツ・ドライフルーツ評議会について
INCはナッツとドライフルーツ産業を国際的に統括する組織です。80カ国以上から、800を超えるナッツとドライフルーツ関連企業が会員となっています。世界のナッツとドライフルーツの販売において、全出荷額の85%以上がINCの会員による出荷です。 INCの使命はナッツとドライフルーツ産業における持続可能な発展を促進することです。INCは健康、栄養、統計、食の安全、そしてナッツやドライフルーツに関する国際基準や規則に関する代表的な国際機関です。

この記事に関するお問い合わせは、press@nutfruit.orgまたは communications@nutfruit.org へのメール、または+34-977-331-416へのお電話でお願いいたします。

参考文献:
1 アキラノK.、セシV.、ギスモンディA.、デ・ステファノS.、イアコベリF.、ファラオニオR. …レティエリ・バルバトD. (2019)「ドライナッツに含まれるマイクロRNAを使って腫瘍壊死因子レセプターを攻撃することで、脂肪細胞代謝は改善できる」、『コミュニケーションズ・バイオロジー』 2:317

写真 - https://mma.prnewswire.com/media/966071/INC_Press_Release_Nuts_and_Inflammation.jpg

ロゴ - https://mma.prnewswire.com/media/841367/INC_Logo.jpg

(日本語リリース:クライアント提供)