世界の謎と不思議に挑み続けてきた『ムー』と、お化け好きのバイブル『怪と幽』がまさかのコラボ!

お化け好きに贈るエンターテインメント・マガジン『怪と幽』vol.002が発売となった。2019年4月に、 世界で唯一の妖怪マガジン『怪』と日本初の怪談専門誌『幽』が融合し、 新創刊した『怪と幽』 。 創刊第2号となる本誌では、 “世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリー・マガジン”を標榜して創刊され、 今年で40周年を迎える『ムー』と『怪と幽』がタッグ を組み、 妖怪/怪談にも通底する UFO、 都市伝説、 UMAといった、 この世の奇奇怪怪に迫る「ムーと怪と幽」特集をお届けする。

「UFO写真傑作選」より、 フォトグラファー・佐藤健寿氏のお気に入りUFO写真

写真提供=並木オフィス

▲6枚撮影された写真のうち、 4枚にUFOが写っていた。

1958年1月16日、 ブラジルのトリンダデ島近海で、 測量調査をしていたアルミランテ・サルダナ号に乗船していたカメラマン、 アルミロ・バラウナがUFOを撮影。 写真はブラジル海軍によって分析され、 真正のものと認められた。

鼎談 並木伸一郎×佐藤健寿×三上丈晴 UFO写真の魅力を語る

1979年10月に創刊し、 今年で40周年を迎える月刊「ムー」。 その創刊時から執筆陣に名を連ねる作家の並木伸一郎氏、 オカルトサイト「X51.ORG」の主宰者で、 自身も「ムー」に大きな影響を受けたというフォトグラファーの佐藤健寿氏、 そして5代目「ムー」編集長の三上丈晴氏をお呼びして、 とりわけ「ムー」色の強いテーマといえるUFO(未確認飛行物体)とUFO写真について熱く語っていただいた。

取材・文=朝宮運河 写真=福島正大

――本日は月刊「ムー」と縁の深いお三方に、 UFOとUFO写真の魅力についてたっぷり語っていただこうと思います。 まず、 皆さんの出会いの経緯を教えていただけますか?

並木:ずいぶん長いつき合いですよ。 三上君とは彼が「ムー」編集部に入って以来だから三十年近くになるし、 健寿とももう十年くらいになるのかな。 以前、 僕は渋谷で居酒屋をやっていまして、 ムー的な人たちのたまり場になっていたんです。 そこに健寿も来てくれて、 話をしたのが最初ですよね。

佐藤:知り合いのテレビ業界の方に連れていってもらったんです。 並木さんがお店をやられているとは全然知らなくて、 すごく驚きました。 三上さんともそのお店で初めてお会いしたんでしたね。

三上 :「ムー」にはすでに記事を書いてもらっていたけどね。 佐藤君は「X51.ORG」というサイトを運営していて、 その筋では有名な存在だったんですよ。

並木:あのサイトは僕も注目していました。 UFOや超常現象を扱ったサイトはたくさんあったけど、 健寿のところはデータ関係がしっかりしていて読み応えがあるし、 見せ方がうまかった。 もともと芸術系の人だから、 センスがいいんだよね。 UFO事件の現場や古代遺跡を撮っても、 健寿の写真は「ムー」とベクトルが違うんです。 そこも面白いなと思っていました。

佐藤:僕は「ムー」や並木さん、 あるいは矢追純一さんの洗礼を受けて、 この世界にはまった世代ですから。 影響が大きいだけに、 同じことをやるわけにはいかないなと。 そもそも僕はUFO研究家ではなく、 カメラマンですから。

三上 :佐藤君は一九七八年生まれだよね。 七九年創刊の「ムー」とはほぼ同い年なのか。

佐藤:「ムー」関係の出来事でよく覚えているのは、 以前「ムー」の姉妹誌で「マヤ」っていう雑誌がありましたよね。 あれが学研の教材と一緒に、 小学校で販売されたんです。 学校で「マヤ」が買えるってすごいな、 と思って(笑)。 確か「ヒランヤ」(六芒星型の開運グッズ。 八〇年代に流行した)が付録の号でしたね。

並木:懐かしいね(笑)。 一時期「ムー」のような雑誌は複数出ていたんですが、 残らず消えていきました。 やっぱり特殊なジャンルだし、 書けるライターが限られているんですよ。 その点「ムー」は先行者の強みがあったし、 企画力もあった。

佐藤:並木さんは創刊当時から「ムー」に携わっているんですよね。

並木:もともとこの手のジャンルが好きで、 日本宇宙現象研究会というUFO研究団体を主宰していたんです。 そのうち学研から「ムー」が創刊されることになって、 声を掛けられたんですね。 最初は同じ学研の「高1コース」でUFO記事を書かされて、 その反響が「ムー」創刊に繋がったんです。

三上 :並木さんは「ムー」でも最古参の一人ですよ。

並木:これだけ長くやっていると、 「お母さんが『ムー』を読んでいた」とか「『ムー』が好きで出版業界に入った」なんて話も珍しくなくなりました。 四十年間、 多少の波はあっても、 根強い人気は衰えない。 結局みんな怪しくてミステリアスなものが好きなんでしょう。

三上 :「怪しい」は「ムー」にとって最大の褒め言葉です。 最近では女子高生が「ムー」のポーチを持って、 SNSに写真をアップしてくれている。 彼女たちが「ムー」を知っているかどうかは分からないけど(笑)、 ありがたいですよ。

つづきは『怪と幽』vol.002でお楽しみください。

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