フィルム状せき止め開発 救急薬品と大鵬薬品 水なしで服用

救急薬品工業と大鵬薬品工業が共同開発した「ピタスせきトローチ」

 救急薬品工業(射水市戸破・小杉、稲田裕彦社長)は、フィルム状トローチのせき止め薬を大鵬薬品工業(東京)と共同開発し、29日に市場投入した。救急薬品工業が強みとする独自の口腔(こうくう)内フィルム剤の製剤技術を活用した。同社は今後、同じ剤形で新たな薬効の製品を開発し、一般用医薬品分野を強化する方針だ。(経済部・池亀慶輔)

 今回開発したのは「ピタスせきトローチ」。水なしで服用できる。薄い円形で舌の上にのせた後、口を閉じて上顎に貼り付けると、有効成分がゆっくりと溶ける。薄いため持ち運ぶ際もかさばらない。スムーズに会話でき、接客や会議などビジネスシーンでの利用を想定する。せきやたんを抑える成分に加え、のどの痛みや腫れを和らげる成分も配合する。

 救急薬品工業は、国内外から評価されている口腔内フィルム剤の製剤技術を活用し、全体の売上高の2割を占める一般用医薬品の増収を目指す。薬価引き下げで医療用医薬品の収益環境が悪化する中、薬価に左右されず柔軟に価格設定できる一般用医薬品の重要性が増しているからだ。

 2017年には指定医薬部外品の「ピタスのどトローチ」を大鵬薬品工業と共同開発し発売した。稲田社長は「剤形のポテンシャル(潜在能力)をフルに生かし、さらに3、4種類の新製品を出したい」と話した。

 ピタスせきトローチは、全国の薬局・薬店、ドラッグストアで扱う。12個入り700円(税別)。

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