向(高岡第一高出)悔しい銀メダル 世界柔道男子90キロ級 

男子90キロ級決勝 オランダのノエル・ファントエント(下)を攻める向翔一郎=日本武道館

 柔道の世界選手権第5日は29日、東京・日本武道館で行われ、男子90キロ級の向翔一郎(23)=ALSOK、高岡第一高・日本大出=は決勝でノエル・ファントエント(オランダ)に敗れ、銀メダルだった。 

 決勝で向は、残り33秒で小外刈りで技ありを奪われた。猛反撃に出るもかわされ続け、そのまま終了した。

 向は初戦の2回戦を背負い投げで一本勝ち。指導3による反則勝ちで3回戦を突破すると、4回戦、準々決勝も一本勝ちした。準決勝でも反則勝ちし決勝に進んだ。

 前回大会では混合団体メンバーの1人として日本の優勝に貢献。今年4月の全日本選抜体重別選手権を制し、初の世界選手権個人戦代表入りを勝ち取った。

■1回戦負けと同じ  向翔一郎の話 なんでもうちょっと我慢ができなかったのか。冷静に闘えていたが、少し油断が出てしまった。結果が全ての世界。自信はついたが、2位も1回戦負けと同じ。もっと隙のない柔道をしていきたい。もう絶対に負けたくない。

■涙が成長させる  井上康生・男子日本代表監督の話 向は初戦でいい流れをつかんだ。苦しい状況でも相手(の強み)を殺しながら、自分のいい部分を生かす柔道を徹底できていた。今後はより警戒されるが、この涙が一回りも二回りも成長させてくれるだろう。

© 株式会社北日本新聞社