【U-18W杯】佐々木、奥川が別メニュー調整でどうなる日本の先発陣?

別メニューで調整を行った侍ジャパンU-18代表の星稜・奥川恭伸(左)と大船渡・佐々木朗希【写真:荒川祐史】

先発陣は津田学園・前、興南・宮城、創志学園・西が候補も全員でスクランブル態勢に

 30日から韓国・機張(きじゃん)で「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(全試合テレビ朝日系列・BS朝日・AbemaTVで放送)が開幕する。初の高校世界一を目指す侍ジャパンの初戦の相手はスペイン。注目の佐々木朗希投手が右手中指のマメ、奥川恭伸投手は夏の甲子園の疲労が癒えていない状態で見通しは不透明だ。しかし、日本の先発は2人だけではない。ハイレベルな先発候補たちが、チームを支える。

 前佑囲斗投手は前日練習でブルペンに入り。捕手・山瀬のミットに力強い球を投げ込んでいた。前の特長はスピンの効いたうなるようなストレート。憧れの存在が藤川球児(阪神)と話すように球のキレは佐々木や奥川にだって負けてはいない。最速152キロの直球にスライダー、カーブ、カット、ツーシーム、フォークを操る。

「夏の甲子園では力を出し切れなかったので、しっかりと世界に通用するピッチングをしたいと思います。もう自分はやるだけだと思っています」

 状態は日に日に良くなっており、ボール自体への手応えも感じている。26日の大学壮行試合では登板がなく「悔しい思いをした」。一方で首脳陣サイドとすれば、まだ、前の対打者への投球をしっかり見ていないため、登板試合で好投すれば、次の先発機会へと広がっていく。大きなチャンスをつかみに行く。

興南・宮城はリリーフも想定、智弁和歌山の150キロ右腕・池田も先発でスタンバイ

 西純矢投手も言わずとしれた、今秋のドラフト1位候補。大会前の最終調整ではブルペンには入らず、非凡なバッティングで汗を流した。投手登録ではあるが、外野手としての出場も濃厚。高校通算23本塁打の打力と剛腕は日本の大きな戦力だ。

「いよいよだな、と。気持ちはわくわくしています。高校最後なので悔いのないようにしたいです。出せる力を出して、最後は楽しかったなという大会に思えるようにしたいと思います」

 最速154キロ右腕が世界の強豪をねじ伏せる姿に期待がかかる。

 米国やカナダ、パナマなど力強い打撃をするチームには、左腕・興南の宮城大弥投手の鋭い変化球が有効となりそうだ。149キロでスライダー、チェンジアップを繰り出す。「流れが持っていかれないような投球をしたいです」と意気込んでいる。宮城は国内の大学生との試合でも先発した。先発タイプだが、状況次第ではリリーフも想定している。

 智弁和歌山の150キロ右腕の池田陽佑投手も先発でスタンバイ。当初は中継ぎとしてのプランだったが、先発としての準備を進めていく。「いよいよ始まるなっていう感じです。三振を取れるピッチングをしたいです」と意気込む。

 他にも野手登録では東邦の石川昂弥内野手、東海大相模・遠藤成内野手もスタンバイ。他の投手登録メンバーはリリーフが想定されるが、短いイニングの先発にも対応できるよう準備している。逆に、上記の先発候補もいつ中継ぎとして起用されてもいいようにスクランブル態勢で挑む。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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