壱岐で「50年に1度」の大雨 長崎県内避難指示・勧告 12万6017世帯

 長崎県内各地は29日も激しい雨に見舞われ、長崎地方気象台は壱岐市で「50年に1度の記録的な大雨となっているところがある」と発表した。午後8時現在、避難指示・勧告が12万6017世帯29万3203人に出されており、24世帯35人が避難。交通機関も乱れた。
 同気象台によると、レーダー解析で、壱岐市の48時間降水量が午前9時時点で約450ミリに達した。降り始めの26日午前0時から29日午後4時までの総降水量は平戸625.5ミリ、松浦526ミリ、壱岐空港400.5ミリ。
 県災害警戒本部によると、29日午後8時現在、松浦市上高野、下高野両地区323世帯748人に避難指示、佐世保、平戸両市全域、壱岐市石田、郷ノ浦両地区の計12万5694世帯29万2455人に避難勧告。この時点でけが人は出ていない。
 大規模な崖崩れが相次いだ松浦市では、国土交通省、県、同市の職員が被害状況を確認。不老山は横約70メートル、縦約200メートル、今福町の市道は長さ約80メートルにわたって崩れていたという。
 JR九州は佐世保-博多、ハウステンボス-博多の特急列車を終日運休するなどした。県営バスは長崎と九州各県を結ぶ高速バスを全便運休。空の便ではオリエンタルエアブリッジ(ORC)が天候不良のため10便を欠航した。
 長崎、諫早、大村の3市は29日までに、九州新幹線長崎ルートの同じ沿線自治体などとして、被害が大きい佐賀県武雄市に食料などを支援。海上自衛隊佐世保地方総監部と陸上自衛隊大村駐屯地も同市に部隊を派遣し、救助活動などに当たった。

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