巨人が圧倒的有利も…どうなるセ優勝争い DeNA「ミラクル」の条件となるのは?

DeNA・ラミレス監督【写真:荒川祐史】

4年ぶりの監督復帰で首位を快走「やっぱり原監督の力は大きい」

 佳境に入ってきたセ・リーグの優勝争い。29日現在、マジック18の首位巨人を2位DeNAが5ゲーム差、3位広島が7.5ゲーム差で追っている。今後、どのような展開になっていくのだろうか。

 現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手としてプレーし、昨年まで2年間はヤクルトでバッテリーコーチを務めた野口寿浩氏は、「マジックがついているので巨人が圧倒的に有利ですが、このまますんなりは行かない気がします」と予想する。

 では、今年の巨人の強さの要因はどこにあるのか。野口氏は「先発に2本柱がいます。菅野は去年までに比べて少しフラフラしているところもありますが、山口俊が安定しています」と分析した。山口はリーグトップタイの12勝をマーク。菅野は投手3冠、沢村賞を受賞した昨季ほどの安定感はないものの、同3位の11勝を挙げている。

 さらに「弱い弱いと言われていたリリーフ陣が頑張っています。中川とかが出てきましたね」と54試合で15セーブ、14ホールド、防御率2.19とフル回転の中川の存在の大きさを挙げた。

 一方で、攻撃面については「打撃陣は坂本を中心にこれくらいはやると思っていました。やっぱり原監督の力は大きいですね」と指摘。坂本はリーグトップの33本塁打。FAで加入した丸や岡本、亀井、ゲレーロらも実力を発揮している。4年ぶりに監督復帰し、選手の力を最大限に引き出している指揮官の手腕も光る。

3位の広島も鍵を握るのは先発陣「大瀬良、ジョンソン、九里ですね」

 野口氏が「ミラクルの可能性はゼロではない」としたのは2位DeNA。その条件として「先発4本柱(今永、上茶谷、濱口、東)がフル回転できること」とした。

「4人に勝ちがつかなくても、4人が投げたときは最低全勝。その中で残りの2日間をどう戦っていくかですね。打線が爆発するか、代わりに先発したピッチャーが頑張るかだと思います」

 4本柱の1人でもある東克樹投手は24日に左肘の張りで抹消されてしまったが、今永はリーグトップタイの12勝。「ルーキーイヤーは、ものすごく良いピッチングをしていたのに勝ちがつかないということがありました。打線にソトが入ってきたことによって、さらに点を取ってくれるようになった」と勝ち星がついてきている要因を挙げた。

 逆に、3位広島は「ちょっと厳しくなってきましたね」という。17日には、チームトップ26本塁打の主砲サビエル・バティスタ外野手にドーピング陽性反応が出たとして登録抹消。今季不調だった田中広輔内野手も離脱するなど、3連覇に向けて苦しい状況が続いている。

「大瀬良、ジョンソン、九里ですね。やっぱりピッチャーになってくるのではないでしょうか。ジョンソンが中4日でどんどん回っていくとか、大瀬良もそれに引っ張られて中5日くらいで。九里もしっかり投げることですね」

 首位巨人が逃げ切って5年ぶりの優勝を飾るのか、DeNAがミラクルを起こすのか、3連覇中の広島が意地を見せるのか。白熱した優勝争いが期待される。(Full-Count編集部)

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