AM、FM人気パーソナリティが再び集結! 『第3回ラジオナイトサミット』レポート【前編】

2019年8月24日(土)に静岡のSBSラジオでラジオについて議論する『第3回ラジオナイトサミット』が、3時間に渡って放送されました。初回、2回目の開催につづき、今回も放送の一部始終を前編・後編に分けてご紹介します。

後半はこちら

『ラジオナイトサミット』とは?

“サミット”の名の通り、局の垣根を越えた各地の人気パーソナリティーや、ラジオ周辺で活動しているゲストが集結し、ラジオについて語りました。

出演者は、SBSラジオ『テキトーナイト!!』の鬼頭里枝さん、ニッポン放送『ミューコミプラス』の吉田尚記アナウンサー、MBCラジオ『岩﨑弘志のてゲてゲハイスクール』『#てゲてゲハウス』の岩﨑弘志アナウンサー、FM802『Poppin'FLAG!!!』のDJ、板東さえかさん、AIR-G’(FM 北海道)『IMAREAL』『LEVANGA STATION』の森本優アナウンサー、全国のラジオに関するインタビュー取材や執筆をしているコラムニスト・やきそばかおるさんです。

左奥から時計回りに、岩﨑アナ、鬼頭さん、やきそばさん、吉田アナ、板東さん、森本アナ

選曲はどうしてる?

一つめのテーマは選曲。AMと比べると、FMはオンエアする曲の数が多いのが特徴です。FM802の板東さんは1時間でおよそ9曲をかけるそうです。単純計算すると、3時間番組の『Poppin'FLAG!!!』では27曲を用意することになります。AIR-G’の森本さんもほぼ同じペースで曲をかけています。

岩﨑アナ:かける曲の量が多いですが、曲がかぶってきませんか?

板東さん:それはないですね。かけたい曲が多いんです。レコードも好きで、以前担当していた番組ではレコードもかけていました。

森本アナ:『IMAREAL』は10〜20代がぐっとくるような邦楽を選んでいます。歌詞も自分が喋っていることも言葉同士なので、番組では音楽ではなくて“言葉”として届けている感覚になる時もあるほどです。

岩﨑アナ:曲紹介はどのようにしていますか?

板東さん:実は音楽を中心に考えているので「この曲はイントロを聴かせてこそ…」という時は、イントロにのらないこともあります。

森本アナ:放送前に使おうと思っていたイントロでも、使うのをやめることもありますよ。曲をかける前に紹介したメッセージや、僕が話した内容によって聴こえ方が変わってくるので、曲をかける直前でディレクターに「次の曲は曲紹介をやめます」と伝えたり、その逆のパターンもあります。

リスナーからは「オンエアされる曲が各地のラジオ局の番組で似ていることがあるので、もっとさまざまな曲をかけてほしい」という意見が届きました。

板東さん:なるべくさまざまな曲をかける…ということは考えていますね。ただ、同じ曲であっても、パーソナリティが添える言葉の内容で印象が変わってくるので、いろいろな景色を描いていただくのが私たちの仕事だと思っています。だから、無理に避けることもしていません。

アーティストとの距離感の話では、板東さんや森本さんと同世代のアーティストも多いため、影響を受けた音楽が似ていることなどもあり、心を通わせやすいという話になりました。

森本アナ:同世代というだけで、一歩中に入れるということはあります。アーティストも全国のさまざまな番組に出演しているので、「次も森本くんの番組に出たい」と言ってもらうためにどうすればいいのかを考えています。他の番組と同じ質問もしたくないし。

板東さん:「同じ質問をしたくない」という気持ち、すごく分かります!

鬼頭さん:この前、ばんちゃんの番組にchelmicoが出演した時も、すごく分かりあってた! 歌詞についても細かいところまで迫っていて、アーティストも嬉しいだろうなと思いました。

初登場の板東さえかさん(FM802)。ライブにも頻繁に足を運んでいます。レコードも大好き。「本日の洋服は静岡茶の色に合わせました…と言いたいところですが、あと付けです(笑)」。
SBSラジオも、静岡にゆかりのあるアーティストを中心に音楽番組が豊富。アーティストがゲスト出演する番組も多く、局内にはアーティストのポスターがたくさん貼られています。

この日に放送した曲は、出演者が自ら選曲しました。※( )内は推薦者、オンエア順。
『ライラック』/美波(森本アナ)、『フリーだもん!(仮)』/ONIGAWARA(吉田アナ)、『線香花火』/ガガガSP(岩﨑アナ)、『スーパースター』/にゃんぞぬデシ(やきそばかおる)、『secret base 〜君がくれたもの〜 』/ZONE(鬼頭里枝)、『茜色の夕日』/フジファブリック(板東さえか)。

吉田アナが紹介した『フリーだもん!』は、『ミューコミプラス』で吉田アナが“美少年Vtuber” 『一翔剣』として登場、番組を生配信するにあたりONIGAWARAが作ったオリジナル曲です。

吉田アナ:ラジオで曲をオンエアしている間、YouTube配信では権利関係でその曲が流せないため、フリー音源として作ってもらいました。ラジオでどんな曲を流している間でも、YouTube配信では絶対にこの曲が流れます。

美波が歌う『ライラック』については、森本さんご自身がこの曲に大きく支えられているそうです。そこで、森本さんに『ライラック』の曲紹介をしていただきました。

森本アナ:多分、今日この時間、色々な人が聞いてくれていると思います。今日いちにち、さまざまな生活を歩んできたと思うけど、「行きたくない」「辛い」と思った時、この曲からすごくパワーをもらって、ラジオからもこの曲を届けています。あなたもラフに、タフに生きてください!

初登場の森本優アナウンサー(AIR-G’ ※FM北海道)。学生リスナーに「イマリエーーール! 」といってエールを送っています。釣りのコーナーもありますが、なかなか釣れません。たまに釣れるとリスナーも大喜び。

注目の若手パーソナリティとアーティストのラジオ番組

「全国 音楽を中心としたラジオ番組分布図」(厳選したおよそ80本が分布図に。「あくまでも参考程度に」とやきそばさん)

コラムニスト・やきそばさんのコーナーでは、恒例となった、手作りの「ラジオ番組分布図」を公開。3回目となる今回は「全国 音楽を中心としたラジオ番組分布図」がテーマ。無数にある音楽番組の中から、ほんの一部ではあるものの、やきそばさんが分布図にまとめたもの。さらに音楽番組を担当している若手のアナウンサー、ラジオDJの中から注目の2人を紹介しました。

・麦島侑アナウンサー(新潟放送 BSNラジオ『TASKRADIC』)
やきそばさん:「学生がもっと簡単にラジオに出られる機会を」と4月にスタート。学生と電話をつなぐほか、若手アーティストも積極的に紹介しています。また、麦島さんはラップが得意。身の回りで起きた出来事をリリックにして、オープニングで披露しています。

・樋口大喜さん(FM802『RADIO ∞ INFINITY』DJ)
やきそばさん:“元気とやる気の塊”のような人。学生時代に、中島ヒロトさん(FM802)のラジオ番組に悩みを相談したところ、元気が出るアドバイスをもらったことがきっかけで『自分も元気を与えられる人になりたい』と、ラジオDJを目指すようになりました。数々のライブイベントのMCで活躍しています。愛と熱のこもった曲紹介にも注目。

そのほか、若手アーティストがDJを務める注目の番組として、人気バンド、ポルカドットスティングレイのヴォーカル・ギターの雫さんが務めるJ-WAVE『SPARK』(火曜日)、16歳のトラックメイカー・SASUKEさんの番組、InterFM897『SASUKE's konnichiwa Radio』を紹介しました。

やきそばさん:雫さんの番組は、軽音楽をやっている学生リスナーからの質問が多く、音楽から進路の話まで的確に答えます。「演奏を間違えたらどうする?」、「歌詞を忘れた時の対処法」といったことから、「歌詞を考える時、英語で考えてから日本語に直す人がいるけど、そちらのほうがいいの?」など、本格的な質問まで分かりやすい。SASUKEさんは10歳でアポロシアターのアマチュアナイトで優勝したほどの逸材。音楽の知識が半端なく、「気になる音楽機材」を紹介するコーナーは大人も唸るほどです。

と解説しました。

2019年「ギャラクシー賞」でDJパーソナリティ賞を受賞した鬼頭里枝さん。受賞してからは、講演会や執筆の依頼が増えたとか。番組ではサプライズでお祝いする企画も行われました。

\---つづきは後編へ!(ローカルラジオ局だからやるべきこと、パーソナリティが教える“緊張しない方法”、自然災害が起きた時にオンエアする音楽について語りました。)

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出演者プロフィール

【パーソナリティ】

■鬼頭里枝
静岡を中心にラジオ・テレビで活躍するフリーパーソナリティ。SBSラジオ『テキトーナイト!!』(毎週土曜日 20時〜22時)は、2009年開始以来、10代から”元10代”の人まで、幅広い層に支持されている人気番組。静岡県内の学校を訪問したり、リスナーから寄せられる相談に答えたりして、時にユルく、時に真剣な放送をお届けしている。2019年「第56回ギャラクシー賞でDJパーソナリティ賞を受賞。

■吉田尚記
ニッポン放送アナウンサー。漫画、アニメ、アイドル、落語など多彩なジャンルに精通。パーソナリティを務める『ミューコミプラス』(月曜日〜木曜日 24時〜24時53分)は、2019年8月29日(木)に放送2000回を迎える。2012年には「第49回ギャラクシー賞」でDJパーソナリティー賞を受賞。『没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術』(太田出版)、『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)ほか、著書も多数。

■岩﨑弘志
MBC南日本放送アナウンサー。35歳。MBC南日本放送『岩﨑弘志のてゲてゲハイスクール』(毎週日曜日 13時〜14時)、『#てゲてゲハウス』(毎週日曜日 15時〜16時50分)パーソナリティ。「てゲてゲハイスクール フェスティバル」は、大勢の高校生と一緒に作り上げる一大イベント。2019年5月にはNHK・民放ラジオ特別番組『今日は一日“民放ラジオ番組”三昧~#このラジオがヤバい~』に全国のラジオ局から選ばれ、後述のAIR-G’(FM 北海道)森本 優アナウンサー、CBCラジオ『ナガオカ×スクランブル』の永岡歩アナウンサーと出演。

■板東さえか
FM802『Poppin'FLAG!!!』(2017年10月スタート 毎週水曜日 25時〜28時)DJ。2013年、FM802 DJオーディションに合格。2014年4月『Ciao! MUSICA』、『RADIO∞INFINITY』でアシスタントデビュー。現在は数々のライブイベントのMCを務めるほか、『ROCK KIDS 802』内で放送している自身の母校の提供コーナー「大阪芸術MY REQUEST」ではアシスタントを務めている。

■森本優
AIR-G’(FM 北海道)アナウンサー。『IMAREAL』(2017年4月スタート 毎週金曜日 19時〜22時)、『ちょびREAL』(毎週金曜日 17時30分〜17時40分)、『LEVANGA STATION』(毎週土曜日 7時30〜8時)のパーソナリティを務めている。学生時代からラジオを聴いていて、投稿もしていたほどのラジオっ子。2019年5月にはNHK・民放ラジオ特別番組『今日は一日“民放ラジオ番組”三昧~#このラジオがヤバい~』に全国のラジオ局から選ばれ出演した。

【そのほか出演者】

■やきそばかおる
コラムニスト。全国のラジオ番組に詳しく、ラジオに関する連載やインタビュー取材、番組構成、配信記事、ラジオ番組出演など多岐に活躍中。全国の楽しい番組を紹介する「週刊 ラジオ情報センター」(水曜日もしくは木曜日 21時〜22時頃)を吉田尚記アナウンサー、シオンJr.、ライター・田中嘉人さんと生配信しており、これまでに紹介したラジオ番組の数は、のべ1000本にものぼる。

第3回ラジオナイトサミット

放送局:SBSラジオ

放送日時:2019年8月24日 土曜日 19時00分~22時00分

出演者:鬼頭里枝(SBSラジオ)、吉田尚記(ニッポン放送)、岩﨑弘志(MBCラジオ)、森本優(AIR-G')、板東さえか(FM802)、やきそばかおる(コラムニスト)

番組ホームページ

※放送情報は変更となる場合があります。

この記事を書いた人

やきそばかおる

小学5年生以来のラジオっ子。ライター・構成作家・コラムニスト。

「BRUTUS」「ケトル」などのラジオ特集の構成・インタビュー・執筆を担当するほか、radiko.jp、シナプス「I LOVE RADIO」(ビデオリサーチ社)/ J-WAVEコラム「やきそばかおるのEar!Ear!Ear!」/otoCoto「ラジオのかくし味」/水道橋博士のメルマ旬報など連載や、番組出演を通じて、ラジオ番組の楽しさを発信。

ラジコプレミアムを駆使しながら、全国のユニークな番組を紹介するツイキャス番組「ラジオ情報センター」(水曜21時〜22時)も放送。全てを合わせると、年間でのべ800本のラジオ番組を紹介している。

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