【美女の乗るクルマ】-scene:17- 三菱 eKクロス × 中村比菜

三菱 eKクロス × 中村比菜

運命的な出会いを果たした彼女は、戦隊ヒーローものが好きだった

多くの人は小学校入学以前の記憶があまりないという。しかし、どういうことか、僕には3歳児の頃の記憶がそっくり残っている。そしてそれは映像がただハッキリとしているだけでなく、驚くべきことに、戦隊モノのヒーローの記憶なのだ。大人になってからその番組の放送時期などを調べてみたのだが、その戦隊モノは僕が住んでいた地域では、僕が3歳の頃にしか放映されていなかった。つまり、僕はたしかに彼らヒーローを自分の目で見ている。彼らは赤と青と黄色の3人組で、僕は、たしかに、黄色いヒーローが好きだった───。

(この物語はフィクションです。)

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三菱 eKクロス × 中村比菜

アルバイト、正確にはパートだが、僕は今の職場ではバイトとして働いている。正社員ではないが、仕事には誇りを持って取り組んでいる。そして仕事に集中するあまり、職場には友人がいない。いや、作らない主義とでも言おうか。

しょせん、職場の友人関係など、馴れ合い、慰め合い、裏切りあい、そしていつかは連絡を取らなくなる、そんな間柄なのだ。彼らがどう思っているかは知らないが、少なくとも僕はそうに違いないと思って生きてきた。そう、彼女に出会うまでは・・・。

歓迎会で「中村比菜です」と名乗ったバイトの新人は、凛とした佇まいのなかに、日本的な美しさを感じられる、一見どこにでもいそうで絶対にいない、僕のこれまでの人生の中では出会ったこともないような、まぎれもない美人だった。ただ、自己紹介の最後で「皆さんどうぞ仲良くしてください」と言った際に、どこか淋しそうな雰囲気を放っていたのが印象的だった。

三菱 eKクロス × 中村比菜

ただその時、ビビビッ! というものすごい衝撃とともに、僕の主義や主張というものは崩れ去った。職場に友人を作らないと決めていた僕だったが、彼女から発せられた何かが、その壁をいとも簡単にブチ破ってくれたらしい。

たしか軽自動車の乗車定員というのは4名のはずだが、実は今まで愛車のeK クロスに、僕以外の人間を乗せたことはない。しかし、僕はこのクルマをいつもピカピカにしていたこともあり、中村比菜をドライブへ誘うことに躊躇や葛藤はなかった。

そしてなにより驚くべきは、まだ同僚になって3日目だった僕の誘いに、彼女が「うん、ドライブ行きたい」と答えてくれたことだった。僕は今、僕の愛車、eKクロスの助手席に彼女が座っていることが、事実なのか妄想なのか、いまいちハッキリわかっていない。けれど事実、隣に彼女が、中村比菜本人が座っているのである。

三菱 eKクロス × 中村比菜

僕はなんだか泣きたくなってしまった。だがその瞬間、彼女は───。

三菱 eKクロス × 中村比菜

これまでの人生で、僕は「雨男」だと言われたことはない。まぁ、そもそも女子とデートへ行ったこともないのだが、中村比菜との約束の日は、ついてないことに雨だった。けれども、彼女はいつも以上に可愛らしく、まるでおとぎ話から飛び出してきたプリンセスのようにキュートな姿をしていた。

「フツーのハイトワゴン軽と違って、スタイルがSUVテイストなんだよ」「軽のなかでも珍しいクロスオーバーモデルなんだ」「ベースモデルのeKワゴンとは全然顔が違うんだよね」と矢継ぎ早に愛車の話ばかりが出てくる。本当に僕が口から発するべきなのは、流行りのデートスポットとか、かっこいい音楽とか、おしゃれなファッションの話だったのだが、なにせそういった情報を、これまでの人生でまったくインプットしてこなかったのだから仕方がない。

少しだけドライブに誘ったことを後悔し始めていた。そして、ひとしきりeKクロスの話をした後で、僕はなんだか泣きたくなってしまった。だがその瞬間、彼女はこう言った。

「黄色、好きなんですか?」

三菱 eKクロス × 中村比菜

……え、黄色。ああ、黄色か。これは好きとかそういう次元の話じゃない。僕には3歳の頃の記憶が残っていて、というのも話が長くなるし、なにより突然オカルト的な話をするちょっと怪しいやつと思われるのもどうかと思ったので、「はい、好きなんです」とだけ答えた。

その時の彼女の質問が「これ絶対にファンブルしちゃダメなやつ!」と気付いたものの、たぶん普段の30倍くらいの速度で脳が回転していたからか、小中高とあまり人と会話をしてこなかったコミュニケーション能力に難ある僕は、誰でもできるであろう“会話を広げる”ことができず、シンプルにイエスとしか答えられなかった。

三菱 eKクロス × 中村比菜

だが、その後は自然と彼女と会話が弾んでいた。いや、僕の運転が弾んでいただけかもしれないが、彼女はなぜかeK クロスの話題についてきてくれていた。

「私、クルマのこと詳しくないんだけど、このクルマ速いよね」

「あー、そうね。はは、ターボだからね」

「けど、速いと燃費が良くないんでしょう?」

「マイルドハイブリッドが付いてるから大丈夫!」

あまり意味は理解していなかったが、昨日読んできたカタログにそう書いてあった気がする。だから多分そうに違いない。

「そのハンドルのスイッチ知ってる! それってウチのパパのクルマに付いてるプロパイロットと同じでしょ。あ、ウチは日産なんだけど」

「ああ、そう。だってこれは日産と三菱の共同開発車なんだよ」

かろうじて、言葉が出たが、これもきっと間違っていないはずである。ディーラーの人がそう言っていた気がするから。

三菱 eKクロス × 中村比菜

子どもの頃から戦隊ヒーローものが好きだった

三菱 eKクロス × 中村比菜

僕らのバイト先は、着ぐるみ業者だ。普段はデパートの屋上とかで着ぐるみを着て動き、立ち回り、子どもたちと遊ぶ。時にはなにかのフェアやイベントなどがあれば、また着ぐるみごと駆り出される。その都度、適当な役、というか着ぐるみが社長から決められ、ある程度の動きが書かれた台本が渡されると、当日は実際に着ぐるみを着てその役を演じるわけだ。

だから、僕はアクターなのである。基本的にはヒーロー役しか受け付けていないのだが、僕に舞い込んでくる仕事の多くがファンシーな動物の役で、大人から子どもまで多くの人々の癒しの対象となっている。なんの冗談か、今も納得はいっていないのだが、時には黒い全身タイツを着せられ、悪役をやらされることもある。

なぜなら、僕には、誰にも負けないほどヒーロー役に対する情熱がある。その理由は今も残る3歳の頃の記憶だ。黄色いヒーローになりたい。アルバイトじゃなく、生涯の仕事として考えている。一方、中途半端なノリだけでこの仕事を始めたヤツは、だいたいすぐに飽きて、嫌になり、辞めていく。本当にこの仕事に興味があったのかどうかさえ、怪しくなる。

彼女はどうなのだろう。着ぐるみ、特に可愛い動物の役は、女性が向いているため、どうしても女手は必要だから会社も定期的に女性を雇っているようだ。しかし、彼女はこの仕事にどんな思い入れがあるのだろうか。思わず質問してしまった。

三菱 eKクロス × 中村比菜

僕 :「ねえ、どうしてこのバイト始めたの? 着ぐるみって臭いし暑いし、きついでしょ」

比菜:「私、子どもの頃から戦隊ヒーローものが好きだったの」

僕 :「え?」

比菜:「笑っちゃうでしょ? 女の子なのにね。でも、本当におかしいんだけど、その番組のことは今もずっと忘れずに心に残ってるの」

僕 :「戦隊ヒーローもの……」

比菜:「そうなの。顔にエックスみたいな模様がついててね、彼らは3人組なんだ」

僕 :「じゃあ、もしかして、その中で好きな色のメンバーは……」

比菜:「そう、黄色!」

三菱 eKクロス × 中村比菜

僕がこのeK クロスを愛車に選んだのは、ボディカラーに黄色の設定があったからだけじゃない。近年の三菱のファミリーフェイスでもある「ダイナミックシールド」が、僕の記憶の戦隊ヒーローの顔によく似ていたからだ。

タフで、力強くて、一見悪者みたいにも見える。でもその実は、カッコよくて、強くて、どんなヒーローより優しくて、一度、新幹線にひかれそうになった子犬を助けたことで自分が怪我を負ったこともあるくらい、とにかく優しい。

そして彼女は、中村比菜は、僕と同じヒーローが好きだった。

比菜:「あなたのバッグにあのヒーローのキーホルダーが付いてたから、だからもっとお話ししてみたいと思ったの。それでドライブに来たらこのクルマでしょ。もうこれは運命だなって思っちゃった」

そう言われた時、彼女の言葉の意味は一瞬よくわからなかったけれど、この優しい言葉も、3歳の頃の鮮明な記憶と同じように、明瞭に僕の心に残るのだろうなと思った。

[Text:安藤 修也/Photo:小林 岳夫/Model:中村 比菜]

Bonus track

中村 比菜(Hina Nakamura)

三菱 eKクロス × 中村比菜

1992年1月27日生まれ(27歳) 血液型:AB型

出身地:東京都

2015・2016年:横浜DENAベイスターズ サポーティングガールズユニット diana

2017・2018年:SUPER GT D'stationフレッシュエンジェルズ

2019年:SUPER GT LEXUS TEAM SARD KOBELCO GIRLS

2018-2019:raffinee Lady

★2018 日本レースクイーン大賞 受賞

★2018 クリッカー賞/福岡アジアコレクション賞 受賞

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三菱 eKクロス × 中村比菜
三菱 eKクロス × 中村比菜
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