三菱造船が大型フェリー2隻受注 長崎造船所で建造、2012年以来

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 三菱造船(横浜市)が大型旅客フェリー2隻を受注し、三菱重工業長崎造船所で建造することが30日、分かった。長崎でフェリーを造るのは2012年に引き渡して以来。市場低迷などで落ち込んでいる手持ち工事量は7隻に回復した。同社は「引き続き技術面の強みを生かし受注増を目指す」としている。

 発注した新日本海フェリー(大阪市)によると、2隻は1万6千トン、定員600人程度。同じグループの東京九州フェリー(北九州市)が21年6月ごろに開設予定の横須賀-北九州で運航する。12年に長崎で完成した同規模の2隻も、新日本海フェリーが敦賀-苫小牧東で運航している。同社は「実績を踏まえ今回も発注した」としている。

 三菱重工によると、長崎造船所本工場(立神)で建造する。一部は三菱重工海洋鉄構(長崎市)が香焼工場で造る。三菱重工は下関造船所(山口県)で全長200メートル未満の国内フェリーを建造しているが、今回受注した2隻は全長200メートル超の大型のため、長崎が担う。

 長崎造船所の受注残(艦艇除く)は、近く引き渡す液化天然ガス(LNG)運搬船1隻と、液化石油ガス(LPG)運搬船4隻。主力のLNG船は15年12月から受注していない。LNGの新規開発プロジェクトが停滞し、韓国との競争で船価も下がっており、受注環境は厳しい。

 同社は今後も、高い省エネ技術で差別化を図り、収益性の高いLNG船の受注に力を入れる。中小型客船の建造や客船修繕の拠点化も視野に入れている。