富士ソフト、ADAS/CASE関連が43%増に

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富士ソフト(坂下智保社長)の車載ソフト開発ビジネスが伸びている。ADAS(先進運転支援システム)に代表される新しい分野の需要が増えており、2019年度上期(1-6月期)決算では、“新分野”が前年同期比で43%伸びた。車載ソフトの既存分野はほぼ前年同期並みで推移しているのに対して、「新分野が車載ソフト開発ビジネスを牽引する構図」(坂下社長)となっている。

ADASやCASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)関連は、比較的新しい車載ソフトの分野で、富士ソフトではこれらを車載ソフトの新分野と位置付けている。ADAS/CASE関連の需要は、今後一段と増えることが見込めるとしている。

旺盛な需要に応えていくため、富士ソフトでは直近半年で車載ソフト開発の技術者を約200人増員し、約1800人体制に拡充するとともに、欧州の自動車メーカーなどが策定する車載ソフトの開発プロセスのフレームワーク「Automotive SPICE」を積極的に取り入れ、技術者のスキルの可視化や共有による生産性の向上につなげている。

また、APTJ(高田広章会長)が開発するAUTOSAR準拠の車載OS「Julinar(ジュリナー)」を搭載したECU(電子制御ユニット)を量産する部品メーカーも出はじめており、APTJに一部出資し、Julinar販売の役割を担っている富士ソフトなどのSIerにとって追い風になっている。Julinarを使った車載ソフト開発の引き合いは増えており、「来年度以降、一段と伸びることが期待できる」(坂下社長)と、販売増に手応えを感じている。

自動車関連メーカーにとって、ADAS/CASE分野の研究開発には多額の資金が必要なため、既存の車載ソフト開発分野の費用を抑制する傾向が見られる。富士ソフトでは、Automotive SPICEによる標準的な開発プロセスを採用したり、AUTOSAR準拠の標準的なプラットフォームを取り入れることで開発効率の向上やコスト削減の施策を強化。ADAS/CASE関連分野を積極的に開拓していくと同時に、既存分野の開発効率化も推進。車載ビジネスの売上増や収益力の強化に努める。

富士ソフトの車載ソフト開発を含む「組込系/制御系ソフトウェア」事業セグメント全体の上期売上高は前年同期比10.3%増の317億円、営業利益は18.4%増の17億円で、ともに二桁増と好調に推移している。(安藤章司)