沖縄関係の概算要求が3年続け同額 生活影響を懸念 県政揺さぶりか

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 2020年度の概算要求で3190億円と3年連続の同額計上となった沖縄関係予算。減らされ続けてきた一括交付金の大幅な増額要望も反映されず、県からは県民生活への影響を懸念する声が上がる。一方、政府与党には名護市辺野古の新基地建設に反対する玉城デニー県政を揺さぶる狙いも透ける。(東京報道部・大城大輔、政経部・仲村時宇ラ)

 「率直に厳しい」

 内閣府の概算要求内容に、県幹部は口をそろえる。

 県は5月に開いた市町村との意見交換会で出た意見をまとめ政府への国庫要請時に渡すなど、全体で3500億円規模の予算確保を求めていた。

 全体額は前年と同額だが、「経済界からの期待も高い」という一括交付金は最少の要求額。県幹部は「一括交付金は少なく、県を通さない交付金は増やされた。県の裁量がどんどんなくなり、八方ふさがりだ」と嘆く。

 特にハード交付金は14年度以降減額が続いている影響でインフラ整備が遅れている所もあり、市町村からの要望も強いという。「事業が遅れることに伴う県民生活への影響を危惧している」と危機感を募らせる。

 辺野古を巡り、県が起こした訴訟などの影響については、「内閣府は振興と基地問題は関係ないとは言っているが、影響がないと皆さん受け止め切れてはいないだろう。ただ、論証するすべはない」とこぼす。

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 県の増額要望に対し、内閣府関係者は「税収は過去最高。モノレールの延伸事業も終わりハード交付金も浮いたはず。その予算はどう使っているのか」と疑問視する。

 「そもそも知事は、選挙で補助金に頼らないと言っていたんじゃないのか」

 政府・与党内には、一括交付金の大幅増額を求めてきた知事に不満が渦巻く。

 政府は予算が決まる年末か年明けには、辺野古の軟弱地盤の改良工事に伴う設計変更申請を控える。知事は認めない構えだが「(予算の)勝負は年末だ」(政府関係者)と、県の出方をけん制する。

 辺野古を巡る国と県の対立は、21年度末に現行計画が期限を迎える沖縄振興特別特措法の議論にも影を落とす。

 8月27日にあった自民党本部であった党の沖縄振興調査会と美ら島議員連盟の合同会議。「本当に必要な沖縄振興とは何か、考えなくてはいけない」などと重鎮議員が語気を強めた。

 ある出席者はこう解説する。「税制の優遇措置など、自動的に延長されると甘く思ってはいけないという意味だ」