■元エースの森岡・小松さん投げ合う
43年前に甲子園出場を懸けて戦った桜井高校(黒部市)と星稜高校(金沢市)のOB戦が31日、黒部市宮野球場で行われ、当時の桜井エースで明治大でも活躍した森岡真一さん(61)と、星稜OBで元中日エースの小松辰雄さん(60)が再び先発で投げ合った。桜井は4―13で敗れ、リベンジはならなかった。
1976年夏の全国高校野球選手権北陸大会決勝。当時は富山、石川両県から1校しか甲子園に進めず、桜井は星稜に1-3で敗れた。星稜はこの年全国ベスト4になった。
2年前の桜井の同窓会で熱戦が話題に上り、OB戦を企画。還暦前後となった当時の選手を中心に、両チーム計70人が集った。当時監督だった桜井の蛇田敏行さん(71)と星稜の山下智茂さん(74)が采配した。
森岡さんは代名詞の下手投げを披露したが、一回に5点を失った。小松さんは当時を思い起こさせる「150キロの速球」とはいかなかったが、2回を0点に抑えた。最終回の七回は山下さんが登板し、蛇田さんが代打で登場。遊直となり、拍手が送られた。
3回7失点だった森岡さんは「当時を思い出し、久々の緊張感があった」と話し、同級生でOB戦実行委員会長の高村克宏さん(60)は「リベンジしたかったが返り討ちにされた」と苦笑い。小松さんは「自分は途中で足が張ってきたが、森岡さんは元気に投げていた」と約半世紀ぶりの対戦に感慨深げだった。
■星稜新主将に内山(上市出身) 練習試合 捕手で先発出場
桜井―星稜のOB戦の後、両校の現役部員による練習試合があり、夏の甲子園で準優勝した星稜の新主将になった内山壮真(2年、上市町出身)が「4番・捕手」で先発出場した。
新チームでは、甲子園で務めた遊撃手から、中学時代にプレーした捕手へ転向。この日は、甲子園でも登板した寺西成騎投手(2年)を巧みにリードして9回無失点に抑えたほか、バント処理で強肩を披露した。
打撃でも追加点となる2点本塁打を放ち、攻守でチームを引っ張った。試合は星稜が6―0で勝利した。
内山は「自分が活躍しなければチームは勝てないという気持ちを持って、主将のプレッシャーに打ち勝ちたい」と話した。
観戦した祖父の高山鐡男さん(75)は「おとなしい性格の子なので、自分らしいやり方でチームをまとめてほしい」と期待した。