校内にシカのふん… 獣害対策は 対馬「子ども議会」白熱

対馬市子ども議会で、市幹部に質問する中学生=対馬市議会議場

 長崎県対馬市内の中学生が議員として登壇する「子ども議会」がこのほど、同市豊玉町の市議会議場であり、全13校の代表計26人がまちづくりや観光、教育などについて比田勝尚喜市長らに答弁を求めた。
 子ども議会は、中学生の視点でふるさとを見直し、地域の将来像について考えてもらおうと市が毎年開催。中学生は市議会の一般質問席に立ち、学校ごとに市側に質問や再質問をした。
 このうち、市立豊玉中は対馬で深刻化している獣害対策について市側をただした。3年の根津知央(ちひろ)さん(14)は「校内にシカのふんがあり、花や野菜が被害を受けているようだ」と訴え、原田花音さん(15)も、「多くの防護柵を設置すれば、被害が食い止められるのでは」と提案した。
 これに対し、比田勝市長は、市が1999年度から2018年度までの間、農地などに設置した防護柵は、対馬の上下両島の外周に相当する延長1082キロと説明。これまでに侵入が確認された小中学校各4校でも防護柵設置が完了していると話し「豊玉中でも確認されれば、検討が必要になる」と答弁した。
 根津さんは取材に「市がそんなに防護柵を設置しているとは知らなかった。集落でも、家の周りなどを囲ってもらえたらみんな安心すると思う」と話した。

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