「為替」関連倒産(8月度速報値)

 8月の東京外国為替市場の円相場(終値)は1ドル=105円台から107円台で推移した。アメリカと中国の双方が追加関税措置を示唆したことを受け、米中貿易摩擦の激化を懸念して1ドル105円を一時割り込む局面もあった。
 速報値ではあるが、8月の「円安」関連倒産は2カ月連続で発生がなかった(前年同月4件)。
 また、「円高」関連倒産も7カ月連続で発生がなかった(同1件)。
 なお、2019年累計(1-8月)は、「円安」関連が4件(前年同期比63.6%減、前年同期11件)。一方、「円高」関連は1件(同66.6%減、同3件)で、ともに6割以上の大幅減少となった。

 2019年末に向け、激しさを増す米中貿易摩擦や各国の通貨安競争、混迷するブレグジットの行方などの不透明さを背景に、ドル円相場の上値は重いと予想する声が強い。東京商工リサーチが発表した「東証1部、2部上場メーカー128社 2020年3月期決算想定為替レート調査」では、約6割の企業が想定為替レートを1ドル110円に設定していた。現状の水準で為替レートが推移した場合、輸出関連を中心とする企業業績の悪化が懸念される。

円安関連倒産月次推移
円高関連倒産月次推移

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