内閣府、「企業版ふるさと納税」と「SDGs金融」推進

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内閣府の地方創生推進室が主導し、産官学の連携によるSDGs達成を目指す組織体「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」は26日、総会を開催した。会長には昨年に引き続き北橋健治・北九州市長が選出されたほか、地域課題の解決に向けたプロジェクト創出についてのパネルディスカッションや自治体と企業のマッチングイベント、SDGs未来都市提案に向けた相談会なども行われた。総会を通して内閣府は「SDGs金融」の促進を強くアピールし、関連イベントでは「企業版ふるさと納税」について周知した。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局=沖本啓一)

左から関幸子氏、三宅占二氏代理の井上隆氏、片山さつき氏、北橋健治氏、村上周三氏、薗田綾子氏

地方創生SDGs官民連携プラットフォームは2018年8月に始動し、設立時に434団体だった会員数はこの1年間で925団体(20日時点)に増加した。会員は47の全都道府県、20の全政令指定都市を含む自治体と、企業が中心。今年度の同プラットフォームの会長に北橋健治・北九州市長が承認されたほか、副会長に三宅占二・経団連企業行動・CSR委員長、幹事に村上周三氏(一般社団法人建築環境・省エネルギー機構理事長)、蟹江憲史氏(慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)が昨年に続き就任。さらに今年新たに関幸子氏(ローカルファースト研究所代表)、薗田綾子氏(クレアン代表)が幹事に就任した。

片山さつき内閣府地方創生担当大臣の挨拶に続き行われた村上周三氏の基調講演は「地方創生SDGsの進展―SDGs未来都市、官民連携、SDGs金融の動き―」。副題にある3要素が地方創生の要点と解説し、内閣府の方針と連動して特に金融にクローズアップ。SDGs金融は今後の焦点となっていくとし、地域企業と地域金融機関の強いつながりが必要になることを強調した。

パネルディスカッション「地域課題解決に向けたSDGs官民連携プロジェクトの創出」には北橋健治氏、村上周三氏、薗田綾子氏、関幸子氏が登壇した。この中で関氏は「課題のある状況にSDGsという新たな考え方が登場したが、SDGsを原動力として地方創生をまわすという逆転の発想で持続可能なまちづくりを進めることを提案したい」とした。薗田氏は「企業は持続可能なまちづくりに参画したいと強く思っている。プラットフォームづくりをすることによって連携を強化することが重要になる」と具体例を交え語った。

官民連携の課題と乗り越え方の観点について北橋健治氏は「人材育成が重要なテーマ。地域の課題を把握しニーズとシーズをマッチングさせることは簡単ではない」と話し「思い切って若年層を対象に漫画を利用したSDGsの教材を作ったところ、人気が出た」と取り組み例を発表し、学校現場の影響力への強い期待感を示した。

「企業版ふるさと納税」「SDGs金融」推進:内閣府

関連イベントとして企業と自治体のテーマ型意見交換会マッチングイベント、個別相談のマッチイベント、さらに次年度のSDGs未来都市提案への相談会も開催され(いずれも非公開)、ステージ上では講演や発表が行われた。この中で内閣府地方創生推進事務局の島田勝則参事官は「企業版ふるさと納税」について説明。企業版ふるさと納税は今年度限りの仕組みとされるが、新年度の税制改正要望に向けて拡充も含めて検討しているという。

企業が自治体に寄付した場合、寄付額が全額損金算入されるため、法人税の実効税率である寄付額の約3割が税額控除されることが一般の仕組み。それに加え、地方創生の特定のプロジェクトに対する寄付であれば、寄付額の3割が追加して控除されるというのが企業版ふるさと納税の仕組みだ。ふるさと納税の一種とされるが「返礼品」のような見返りは禁止されている。島田参事官は「個人のふるさと納税に比べ、まだまだ認知度が足りないが、企業と地方自治体がWIN-WINとなる制度だ」と話す。

同じく内閣府地方創生推進事務局の遠藤健太郎参事官はSDGs金融の取り組みについて「地域の金融機関のSDGsへの関心はとても高い」と説明した。「今年12月から始まる『次の5カ年』に向けて、どのように金融への取り組みを議論し、具体化していくか、研究会で話し合っている」と進捗を報告。また、中高生向けの「まちづくりアイデアコンテスト」の応募を呼び掛けた。コンテストは9月9日が締め切り。詳細はこちら