ベイスターズ、いざ「勝負の9月」 Gと4差、待たれる故障者復帰 

三上=3月30日、中日戦横浜スタジアム

 3位広島との敵地3連戦を勝ち越し、自力優勝の可能性が復活した横浜DeNAベイスターズ。首位巨人を4ゲーム差で追うラミレス監督は「ラストスパート。突き進むだけ」と21年ぶりの悲願をもくろむ。シーズンは残り18試合。「勝負の9月」を制するためにも、故障で離脱している主力組の戦列復帰が待たれる。

 7月末から8月にかけて、左薬指剝離骨折の伊藤光、左有鉤骨(ゆうこうこつ)骨折の宮崎、右肩違和感のロペスら主力の負傷が相次いだ。その後は投打がかみ合わずに黒星が先行したが、8月下旬に入って救援陣が踏ん張り5連勝。終わってみれば14勝13敗と、4カ月連続の勝ち越しを決めた。

 朗報も舞い込んできた。伊藤光が8月31日に行われた2軍の練習試合で1カ月ぶりの実戦復帰。「指名打者」で2打席の出場にとどまったが、ブルペンでは投球練習の球を受けるなど経過は順調だ。

 同9日に手術を受けたばかりの宮崎もすでにバットを握って練習を再開。チーム関係者は「伊藤光は2軍で何試合かマスクをかぶれば問題ないだろう。宮崎も間に合う」と、いずれもシーズン中の1軍復帰に期待を膨らませる。

 救援陣では、冷蔵庫を殴打したパットンがリハビリ中だが、5月に右肘のクリーニング手術を受けた救援陣の精神的支柱、三上は8月下旬から2軍で3試合に登板し3回1/3を2失点。状態が上向けば昇格も近いとみられる。エスコバーや三嶋ら救援陣の登板過多も改善されそうだ。

 最初の関門は3日からの阪神戦(横浜)だ。今季7勝13敗1分で6年連続の負け越しが決まっている相手に、指揮官は「優勝マジックは付いたり消したりを繰り返していくもの。1試合ずつしっかり勝つことだけを考えたい」と語る。

 初戦を託される上茶谷は、6勝ながら先発陣で今永の最多22試合に次ぐ21試合を投げてきた。未知の世界で奮闘してきたルーキー右腕がゲームをつくり、チームに勢いを呼び込めるか。

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