緊急特集 ついに動き出した日系企業によるダウエーのマンション建設 完全日本式スタイルで官民一体事業として年内にスタートへ 5、6年前のヤンゴンは「最後のフロンティア」などと喧伝され異常な不動産ブームが起きたが、今、そのヤンゴンは土地代も上がり、競合も増えて頭打ちの感が否めない。

5、6年前のヤンゴンは「最後のフロンティア」などと喧伝され異常な不動産ブームが起きたが、今、そのヤンゴンは土地代も上がり、競合も増えて頭打ちの感が否めない。

緊急特集 ついに動き出した日系企業によるダウエーのマンション建設 完全日本式スタイルで官民一体事業として年内にスタートへ

5、6年前のヤンゴンは「最後のフロンティア」などと喧伝され異常な不動産ブームが起きたが、今、そのヤンゴンは土地代も上がり、競合も増えて頭打ちの感が否めない。その点、ダウエーを中心としたタニンダリー管区には強力な追い風が吹き始めている。それを察知した日本の企業が、完全日本スタイルマンション建設に踏み切った。

日本が深海港建設でタイが高速道路を

先月号でもお伝えしたが、ダウエーを中心としたタニンダリー管区への注目度がさらに増してきた。ミャンマーの3大特別工業団地のうち、ヤンゴンのティラワSEZは日本主導ですでに稼動を始めているが、西部ラカイン州の中国主導によるチャオピューSEZは、昨年やっと開発業者が入札で決定したばかりの状態だ。
もうひとつのダウエーSEZはティラワの約10倍、東アジア最大規模のSEZだけに開発資金などの問題で 開発が遅々として進まなかったが、今年7月に経済産業省がダウエーSEZの開発方針を見直すことを明らかにし、インド、中東向けの輸出を念頭に置いた港湾と物流施設の開発を優先することで、ダウエー深海港の建設をも視野に入れた、積極的な支援体制に入ることを公式に発表した。
時を同じくして、これまで懸案だったダウエーSEZ と緬泰国境の町ティキー間を結ぶ道路建設が、来年10月から開始されることも決まり、既に前倒しでの工事も始まっている。そして、この道路が完成し、深海港の建設が終了すれば、ベトナムのホーチミンからカンボジアのプノンペン、タイのバンコクを経てダウエーまでを結ぶ「南部経済回廊」が完全に完成する。
そうなると、現在のマラッカ海峡を経ずにアンダマン海、果てはインド洋まで出られることで、約3日間ほど輸送日数が短縮される。そして、将来ダウエーの深海港は、バンコク港と並ぶメコン地域最大規模の集積港としての役割を担うものとして期待が高まっている。
つまり、ダウエーが緬泰両政府ばかりでなく、メコン地域各国からも熱い視線を浴びる理由がここにあるわけだ。緬泰国境のタイ側のカンチャナプリ県の商工会議所や経済界も早くからこのダウエー将来性を見越し、ティキーの町にカジノ付きホテルの建設をはじめた。すでに2軒が稼動し、今後5つ星を含む10軒近いホテルの建設が予定されているという。タイはカジノ御法度国だけにタイの観光客の誘致を睨らんだものだが、今年3月に視察に行ったときには、稼動中の2軒のカジノホテルはタイ人で一杯だった。
こうした管区都ダウエーに限らず、アンダマン海に浮かぶメルギー諸島の800の島々を要するタニンダリー管区は、ミャンマー中央政府も観光資源や投資への誘致を積極的に進めていく模様で、すでにミャンマー投資委員会【MIC】が支援に乗り出した。また民間航空局(DICAも、最南端の観光都市コータウン空港のアツプグレードを推進していくことを明らかにした。(いずれも詳細はP43のタニンダリーニュース参照)

日系進出案件第1号とは

こうしてみると、今年に入ってから、ダウエを中心としたタニンダリー管区へ、かなりの追い風が吹き始めているといっても過言ではないだろう。
そうした状況を見て世界各国の投資家もすでに動き出している。外国人初の管区首相補佐官に就任したグリーンフィールド経済政治研究所の岩澤康晴代表や、昨年からこのエリアの将来性に着目して報告し続けている弊紙ヤンゴンプレスにも、ダウエーへの投資案件の相談、問い合わせが急増している。
そして、ついに日系第1号案件が決定した。完全日本式スタイルマンション「ライズタワー・グリーンフィールド・議事堂前」である。
ヤンゴンやマンダレーなどとは異なり、ダウエーにはまだサービスアパート、というより外国人用のレジデンスが現在皆無だ。SEZ がらみで視察、調査に来る外国人は、ホテルの長期滞在を余儀なくされており、外国人用住宅の建設は急務だった。
そうした状況を管区政府も十分理解しており、政府の呼びかけに応じての参加だ。タニンダリー管区会議事堂の真正面という超一等地に第1号を建設する運びとなった。この事業は、タニンダリー管区政府との官民一体意事業と称し、「タニンダリー100棟計画」と決定。
民間企業は管区政府から建設許可や投資許可などの迅速化はもちろん、政府から適切なアドバイスなども受けられ、民間企業はタニンダリー管区政府に対して1棟建設する毎に政府教育省に相応額を寄付し(100棟まで寄付を継続)、管区内の教育施設の改善に役立てていただくシステムを構築していく。こうした双方にとってのメリットを生み出せれば、この事業の成功による外国企業への投資PRにもなるのだ。また今後継続的に様々な分野で事業として推進していくため、発案者の岩澤補佐官が管区政府と最後の詰めに入っている。

日系の内装設備会社が将来をにらんで進出を決めた

今回、この趣旨を十分理解し、第1号案件に名乗りを挙げたのが愛知県に本社を置く株式会社菅原設備である。すでに同社は昨年10月の「グリーンフィールドダウェージャパンビレッジオープニングセレモニー」にも参加し、同ビレッジ内にスガワラミャンマーを開設している。
今後タニンダリー管区建設予定100棟全ての名称にライズタワーグリーンフィールドの名称を付け徹底的なジャパンブランド戦略化をはかっていく。
また世界最高水準の「クリスタルバレー」という海水をも真水にする浄水器を設置、キッチンの蛇口からダイレクトで飲料水が飲める事や、「DEFENDER-X」という現在世界最高水準といわれるIT によるセキリティーシステムを導入する、これもミャンマーでは画期的なこと。
さらに共用施設には、ダウエーは娯楽が少ないためバーチャルのゴルフコース練習システム、トレーニングジム、カフェサロン、会議室、ビジネススペースなどを設け、地方都市の欠点をカバーしている。さらにこのレジデンスにはプールとバーベキュースペースを設ける予定にもなっており、住戸の約8割をカバーする駐車場も設置される。

何故ミャンマーで最高の水準では無く最高機能なのか

以上のような概要のこのレジデンスは、おそらくミャンマーでもほかに例を見ない高機能の設備仕様を誇る。
このプロジェクトの総合プロデュースする、グリーンフィールドコンストラクションは、ダウェー日本人滞在者からダウェーで快適に過ごす居の極意を重視し、ミャンマーの地方で外国人が住むにあたり、あらば助かる事を熟知しており、これは机上の空論やミャンマー人に聞いても文化の違いで分からず、住んでいなければ分からない、まさに痒いところに手が届く機能も、「ライズタワーグリーンフィールド」の建築に活かされている。
建設にあたっての指揮は「グリーンフィールド・コンストラクション」が行うが、前記菅原設備が内装設備などの施工・管理にあたり、外装、内装などのデザインは、アメリカで学んだ新進気鋭の日本人デザイナー Imaeda Design社が手掛る。
タニンダリー管区ホテル観光連盟会長で大手建設会社を所有し管区内に大型ホテルや大型ショピングセンターなどの建設実積があるU Kyaw Win氏の協力を得て、万全の体制で建設に臨む。これだけのクォリティーをもつ完全日本式スタイルマンションは、もうすぐ法案が可決されるコンドミニアム法対象マンションになる予定で、総戸数の4割が外国人名義でも買えるのが強みで当初分譲形式で年内に販売される予定だ。管区議事堂近くの大型ショピングセンター1階にショールームを設置し10月からオープンする。すでにうわさを聞いて20件近い引き合いが内外から来ているそうだ。
なぜそんなに早くから引き合いが来ているのかというと、どうやらその分譲価格にあるようだ。正式決定は10月中旬になるが、現在内装込みで1DKで600万~、2LDKで1200万円~、3LDKで1500万円~になる予定だという。ダウエーといえども、最高機能の設備、日本クォリティーの建築仕様、さらに一等地という場所を考えれば、この分譲価格は注目すべきものだ。
これはとりも直さず、総合プロデュースのグリーンフィールド経済政治研究所が、土地購入から販売迄一括管理し、協力会社との連携で価格をセーブする事に成功した企業努力も評価したい。ちなみに今物件の住戸購入者相談者は完成した時点で賃貸に出す方が多いと聞く、これだけの設備仕様と広さならなら最低月1000ドルは設定できる。年間1万2千ドルだから仮に1200万でも8年くらいで償却できる計算だ。その間に値上がりするだろうから途中で売却するのもいい。
また前述したようにこのライズタワー・グリーンフィールド建設プロジェクトは、官民一体事業で100棟の建設を行う計画で、タニンダリー管区内のダウェー市、ベイ市、コータウン市を先ずは対象とし、その後タニンダリー管区の郊外都市やリゾート地にも広げていくと言う、まさに地域と連携したプロジェクトだ。
特筆すべきはその多くが1棟10部屋から20部屋の小型マンションを主として計画しており、完全日本スタイルマンションでありながら、価格をセーブする企業努力により、中堅層ミャンマー人に販売ターゲットを広げていくという現実味がある計画だ。
そのためグリーンフィールドコンストラクションでは、すでに2号、3号案件の土地の選定も終え土地を押さえている。これも今後の土地高騰を考慮してのものだ。
現在日本にいる企業や投資家たちはヤンゴンばかりに目が向いているようだが、ダウエーを中心としたタニンダリー管区の現況と将来性を考えれば、このエリアに関心を持って然るべきだと考える。

問い合わせ
< ミャンマー >
ヤンゴンプレス 09-253108515
Myanmar A&K; CO. Ltd 09-968316517
ダウェー現地ショールーム 10月1日オープン
< タイ >
バンコク週報 (66)2632-9179

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