<岩手知事選>絡む事情、戦いに波紋 現元国会議員4人、それぞれの立ち位置

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及川氏の第一声に駆け付けた平野氏=8月22日、盛岡市
県議選候補の応援で支持を呼び掛ける階氏=1日、盛岡市
及川氏の応援マイクを握る黄川田氏=8月29日、一関市
県議選に立候補した長男の出陣式で支持を訴える高橋氏=8月30日、盛岡市

◎平野氏 参院選で敗れ沈黙/黄川田氏 敵陣の応援で気炎/階氏 無所属、陣営と距離/高橋氏 長男の県議選注力

 与野党の攻防が続く任期満了に伴う岩手県知事選(8日投開票)に、現職と元職計4人の国会議員が独自のスタンスで臨んでいる。抱える事情は四者四様。現職達増拓也氏(55)、新人及川敦氏(52)の両陣営にさざ波を引き起こしている。

 北上市で8月27日にあった及川氏の個人演説会。会場に地元出身の平野達男元参院議員の姿はなかった。

 7月の参院選岩手選挙区では確執が取り沙汰された及川氏の応援を受けたが、野党統一候補に敗れた。知事選直前には「岩手のボス政治を変える」と気勢を上げ、及川氏の第一声に駆け付けたものの、その後は姿が見えなくなった。

 及川氏陣営も積極的に応援要請はしない。陣営幹部は「敗者は語らず。何を話しても負け犬の遠ぼえにしかならない」とつぶやいた。

 沈黙する平野氏に代わって気炎を上げるのが、旧岩手3区選出だった黄川田徹元衆院議員だ。8月29日には一関市で及川氏と街頭に立った。

 「達増氏の悪口を言うのに加わりたかった」と立憲民主党県連の顧問を辞任。「もう敵陣の応援はやめてくれ」という周囲の説得にも耳を貸さない。

 長年、黄川田氏を支持してきたという一関市の会社員男性は「意味不明でやりたい放題。今回ばかりはついていけない」とあきれた表情で語った。

 自由党との合流に反発して5月に国民民主党を離党し、無所属となった階猛衆院議員(岩手1区)は、与野党対決に参加できずにいる。

 2012年12月の衆院選では岩手1区に達増氏の妻が「刺客」として送り込まれた経緯もあって「達増知事に対しては複雑な思いがある。押し掛けても迷惑になるかも」。

 「達増氏から要請があれば応援する」と言うが、達増氏陣営は「こちらから要請するものでもない」とぴしゃり。やむなく、同日程で行われる県議選で系列候補の応援に汗を流している。

 県議選に力を注ぐのは、岩手1区を地盤とする自民党の高橋比奈子衆院議員(比例東北)も同じ。盛岡選挙区(定数10)に立候補した長男の当落が気掛かりだ。

 8月30日の県議選の第一声では長男にぴたりと寄り添い「皆さんの力をお貸しください」と絶叫した。

 ただ、高橋氏は選挙区で3連敗を喫した比例復活組だけに、県連内には「活動量が少ない」と公認候補交代論がくすぶり続ける。及川氏や自民県議候補の応援も買って出て貢献度アップに余念がない。

 周囲は「及川氏に必ず勝ってもらわないといけない」と交代論が過熱しないよう気をもむ。

 ◇岩手県知事選立候補者 達増 拓也55知事  無現 (立・国・共・社推) 及川  敦52元県議 無新 (自推)