葉山署刑事、名前は「狸山ポン吉」 サポーターに就任

葉山署に寄贈された、鎌倉ものがたりのキャラクター「狸山ポン吉」の着ぐるみ(上段中央)=同署

 鎌倉を舞台にした人気漫画「鎌倉ものがたり」に、葉山署の刑事として登場するキャラクター「狸山ポン吉」の着ぐるみが3日、同署に寄贈された。来年1月に開署100周年を迎える同署の記念事業の一環として、町民らでつくる実行委員会が寄付を募り、製作費を賄った。20日には同署の安全安心サポーターに就任する予定。

 今年で誕生35周年を迎えた鎌倉ものがたりは、「三丁目の夕日」でも知られる漫画家・西岸良平さんの代表作の一つ。鎌倉に住むミステリー作家の一色正和が、地元で起きる怪奇事件を警察と協力し、解決していく。ポン吉は葉山で生まれ育ったタヌキで、タヌキによる事件に対処するために葉山署に採用された、正義感あふれる刑事として登場する。

 地元の町内会連合会や商工会、警察官友の会などの外郭団体などは昨年10月、実行委を組織し、開署100周年の記念事業を検討。その中で、新たに同署のマスコットキャラクターを作るアイデアが出された。

 地元ゆかりの西岸さんに相談し、ポン吉を使用することが認められ、着ぐるみの製作など記念事業費を町内で募った結果、当初目標の180万円を大きく超える230万円が集まった。3カ月かけて製作。残りは記念誌の発行費などにあてるという。

 3日に同署で贈呈式が開かれ、署員が着ぐるみを着て登場。実行委員長の守屋大光さんは「一過性のものではなく、長く残るものを作りたかった」と製作の意図を説明。「住民も協力し、安全で安心して暮らせる街にさらにしていけたら」と話した。鈴木達也署長は「交通安全やキャンペーンなどで活用し、親しみある警察を目指したい」と答えた。

 同署は1894年、葉山御用邸の完成を受け、横須賀警察署葉山一色巡査駐在所が置かれたのが始まり。1920年に葉山署として開署した。

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