拡散中です〝つぶやきポリス〟 「犯罪被害防げれば」

ツイッターを使った情報発信をする常盤課長=瀬谷署

 若者の必須アイテムでもあるツイッターを駆使して、犯罪情報を発信する「つぶやきポリス」が県警の各部署で奮闘している。予兆事案や事件が発生した際に、いち早く注意喚起するのが狙いだ。フォロワー(閲覧登録者)を増やそうと、担当者は日常の様子を発信するなど工夫を凝らし、市民にメッセージを伝えている。

 7月から始めた瀬谷署生活安全課の常盤勝彦課長(48)は、署で唯一の担当者。朝のあいさつから始まり、ひったくりや痴漢などの犯罪が発生すればすぐさま、犯人や犯行態様などの情報をツイッターに書き込む。1日数回、欠かさず更新する。ひったくりへの注意喚起に対し、後日「バッグの持ち方を変えました」というメッセージが寄せられたこともあり、「少しでも犯罪被害を防げれば」と余念が無い。

 1日現在、フォロワーは156人。大勢の市民に読んでもらえなければ情報発信する意味はあまりない。そこで、フォロワーの獲得に向けて続けているのが、ランチの紹介だ。店先の料理や、時には手作り弁当も登場する。「おいしそうですね」「今度、行ってみたいです」-。気取らない投稿に次々とメッセージが寄せられ、「市民との距離が縮まると楽しい」と笑みを浮かべる。

 県警では、捜査2課が2013年12月に特殊詐欺の被害防止を呼び掛けるツールとして導入したのが発端となった。以降、本部7部署、県内9署に広まり、注意喚起のツールとして利用している。常盤課長は約4年前、県警本部の生活安全総務課時代に初めて携わり、同署に異動後も署の承認を得て続けている。

 大勢の通行人を前に拡声器を使って注意喚起する「DJポリス」と比べれば派手さはないが、地道な取り組みに手応えを感じているという。常盤課長は「より多くの若者や防犯に無関心な人の意識に届くようにつぶやきたい」と話している。

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