米フロリダで原爆展 追悼祈念館が10月7日から 清野さん被爆講話も

田上市長に原爆展への参加を報告する清野さん(中央)=長崎市役所

 国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(長崎市平野町、黒川智夫館長)は3日、本年度の「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」を10月7日~11月2日、米フロリダ州のオーランド市で開くと発表した。被爆者の清野定廣さん(82)=大村市=を派遣し、計4回の被爆体験講話を予定。原爆写真のパネル約30点や被爆者の体験記、証言映像も展示する。
 同館は被爆60年の2005年度から海外での原爆展を開催。これまで13カ国20都市で開き、計11万1650人が来場した。米国開催はオーランドが4都市目。州立の高等教育機関「バレンシアカレッジ」の教授が原爆展に強い関心を示し、同カレッジの協力を得て実現した。現地では同カレッジとオーランド公共図書館の2カ所で講話や資料展示をする。
 3日に黒川館長や清野さんが市役所を訪れ、田上富久市長に概要を報告。田上市長は「核保有国の米国で開く意義は大きく、大学生に講話できることにも意義がある」と歓迎した。
 清野さんは8歳の時、爆心地から約12キロの旧西彼深堀村で原爆に遭い、入市被爆した。現在は、壊滅的な被害を受けた長崎の様子や当時20歳だった姉を亡くした無念さを講話しており、「米国でも自分が体験したことをありのままに話し、それを受け止めてもらいたい」と話した。

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