九州・沖縄は佐賀のタイしゃぶ 口いっぱいに広がるうまみ

 九州・沖縄ブロック予選が4日、大分合同新聞社(大分市)で行われ、佐賀新聞社推薦の「穂州鯛しゃぶしゃぶセット」が1位に選ばれた。

穂州鯛しゃぶしゃぶセット

 タイの消費量で全国1位だという佐賀県。県民にとって身近な魚であり、その中でも穂州鯛は玄界灘に面する同県玄海町にある渡邉水産が育てたブランドダイ。亡き先代社長の名前にちなんで名付けられた。

 九州で魚にこだわり独自のブランドを作り上げた先代の跡を継いだ妻。当初は周りからも「女性が水産業で社長をするのは難しい」と言われたという。しかし今は4人の娘らとともに水産業に関わる女性ならではの視点で会員制交流サイト(SNS)などで話題になりそうな商品の開発に挑んでいる。

 玄界灘の漁師たちの間では普通に食べられるという皮付きのタイの身。それをしゃぶしゃぶにして口に入れると、皮と身の間にあるうまみが口いっぱいに広がる。

 会場での関心も高く、商品について尋ねる質問も飛び交った。商品のプレゼン中も試食者らがしきりにタイの身を口へと運んでいた。玄界灘産のタイという地域性、そして先代への思いなどの背景なども評価され、堂々の1位となった。 

 佐賀新聞社広告部の小島啓示郎さんは「水産業界では女性が珍しい」とし、渡邉水産の挑戦を全国大会で伝えたいと意気込みを語った。

(共同通信大分支局 井上大成)

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 これで全国6ブロックの代表が出そろった。大賞を決める全国大会は11月19日、東京・汐留の電通ホールで行われる。

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