横浜FCルーキー中山、5戦4発の活躍 スピードで台頭

横浜FC・MF中山克広

 サッカーJリーグで13シーズンぶりの1部(J1)復帰を目指す横浜FCに、スピード豊かな大卒ルーキーが台頭している。横浜市出身のMF中山克広(23)=177センチ、65キロ=は直近5試合で4得点の活躍。チームの12戦負けなしと2位浮上に貢献し、その才能を一気に開花させている。

 右サイドを主戦場とする若きアタッカーは「(上位チームの)勝ち点差が並んでいるので、一試合で一気に順位が入れ替わる。まだ何も決まっていないし、危機感は常に持っている」と、9月7日のリーグ第31節・ヴァンフォーレ甲府戦(午後6時・ニッパツ三ツ沢球技場)に集中する。

 中山は下平隆宏監督(47)が就任した5月中旬以降、本格的にレギュラー定着。縦への爆発的なスピードと正確なクロスでチャンスメークする一方、「GKのいないゴールにも入らないことがあって悩んだ」と話すようにデビューから15試合無得点が続いた。待望の初ゴールは8月4日のリーグ第26節・アビスパ福岡戦(レベルファイブスタジアム)。その後も得点を積み重ね、「大学の頃から1点取ったら乗るタイプ。それがプロに入っても影響しているのか、自分の中でもかなり自信がついている」と手応えを語る。

 横浜FCのジュニアユース出身。麻布大付高から専大に進み、今春プロデビューを果たした。チームは監督交代を経て2桁順位から一気に巻き返すなど、1年目から浮き沈みの激しいシーズンを過ごしている。「まさか中村俊輔選手が来るとは思わなかったし、年齢が上のレジェンドな方だけでなく30歳前後の経験豊富な選手からも多くのことを吸収させてもらっている」と充実感を漂わせる。

 3戦連続ゴールを期待された8月31日のリーグ第30節・モンテディオ山形戦(NDソフトスタジアム山形)は敵陣右サイドのスペースを消され、「後半は一切ボールを受けられなくなってしまった」。持ち前の高い攻撃力を他クラブから警戒されるようになり、「今までのように大量点を取れる戦いは少なくなる。1点の重みが大きくなる」と中山。限られたチャンスで結果を残せるかどうか、真価が問われるのはここからだ。

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